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 三井住友建設日立ソリューションズは共同で、写真撮影するだけで山岳トンネルの壁面などに埋め込んだロックボルトの配置間隔を計測するシステムを開発した(資料1)。計測と調書の作成で必要となる延べ時間を、従来の2分の1に短縮できる。2023年春に三井住友建設の現場で導入し、23年秋までに日立ソリューションズが販売する予定だ。

資料1■ 開発したシステムによる計測(左)と、従来の方法による計測(右)の様子(写真:三井住友建設、日立ソリューションズ)
資料1■ 開発したシステムによる計測(左)と、従来の方法による計測(右)の様子(写真:三井住友建設、日立ソリューションズ)
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 開発したシステムでは、対象物の3次元情報(深さなどの情報)を取得できる「デプスカメラ」を使う。デプスカメラを搭載したタブレットを使って壁面などを撮影するだけよい。計測した値はタブレットの画面上で確認できる(資料2)。CSV形式のデータとしてパソコンに取り込めば、帳票を自動で出力する。

資料2■ 計測値はタブレットで確認
資料2■ 計測値はタブレットで確認
開発したシステムの計測画面のイメージ(出所:三井住友建設、日立ソリューションズ)
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 山岳トンネルや切り土補強土の工事では一般に、ロックボルトを地山に打設する。掘削後に地山の崩落や変形を防ぎ、安定した状態で作業するためだ。その際、打設するロックボルトの配置間隔などは、国や自治体などの各発注者が定める基準に従って管理する。