全680文字

 戸田建設とトンネル用型枠メーカーの大栄工機(滋賀県長浜市)は共同で、山岳トンネルの施工に要する労力を軽減する装置「スイッチャーズ」を開発した(資料1)。覆工コンクリートの打設工程で手作業を減らし、現場の省人化をいっそう進める。

資料1■ トンネル用の型枠であるセントルの実大模型に取り付けたスイッチャーズ(写真:戸田建設)
資料1■ トンネル用の型枠であるセントルの実大模型に取り付けたスイッチャーズ(写真:戸田建設)
[画像のクリックで拡大表示]

 山岳トンネルの施工で重要な工程となるコンクリート打設では、セントルと呼ばれる半円筒形をした移動式の鋼製型枠を用いる。セントルに開けた複数の検査窓(打設口)から、地山側にコンクリートを注入。セントルの下端の打設口から順次、上側に打ち上げていく。

 これまで、注入に使う打設ホースを打設口から打設口へと移動させたり、注入後に打設口の扉を閉じたりするのは通常、人力による作業だった。建設現場に残る苦渋作業の1つで、作業員の負担が大きい。