国際航業とtranscosmos online communications(トランスコスモス・オンライン・コミュニケーションズ)(東京都豊島区)は、市民からLINEで送られてきた道路や公共設備の不具合情報を、統合データベースを通じて即座に各部署で共有するシステムを開発し、2022年3月に神奈川県藤沢市に導入した。21年3月の熊本市に続く2例目だ。
舗装の陥没や側溝の欠けなど異常を発見した市民が、自分のスマートフォンで自治体のLINE公式アカウントにアクセス。トップ画面にある「市民レポート」から入って、トーク画面の案内に従ってメッセージや写真、位置情報を送信するだけでよい(資料1)。
LINEトーク画面上での受け答えは、人を介さず自動で会話するプログラム「チャットボット」が対応。個人情報の入力は不要で、24時間いつでも利用できる。自治体側は通報と同時に、対象物の位置情報や不具合の状態が分かる画像も受信。すぐに庁内のデータベースに反映される。
今回のサービスは、国際航業が全国360の自治体に展開している行政業務総合支援システム「Genavis(ジェナビス)シリーズ」の新機能だ。市民と行政をLINEでスムーズにつなぐために、トランスコスモス・オンライン・コミュニケーションズが開発した配信ツール「KANAMETO(カナメト)」と連携させた。
LINE経由で集めた情報は、Genavisの「庁内情報共有GIS(地理情報システム)」に自動連携。共有のデジタルマップ上に異常や不具合の通報内容が即座に反映され、担当部署が対応に当たれる。
熊本市ではさらに、Genavisシリーズの「市民コミュニケーションGIS」も適用。通報情報と対応状況をプロットしたマップを、市民に公開している(資料2)。
導入にかかる費用は、Genavisシリーズの利用状況により変動する。自治体の要望によって異なるが、最短1カ月程度で運用を開始できる。