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 建設技術研究所は、プロポーザル方式の入札説明書を人工知能(AI)で解析して、業務の適任者を選出するシステムを開発した(図1)。参加表明書の作成を支援する。人力だと1日を要していた参加表明書の作成がわずか数分で済む。国土交通省の関東地方整備局と北陸地方整備局の発注案件で導入した。

図1■ 5つの項目を整理
図1■ 5つの項目を整理
参加表明書の作成を支援するシステムの流れ(資料:建設技術研究所)
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 支援システムでは、建設技術研究所が過去10年間に受託した800件超のデータを基に、入札説明書のPDFをAIで画像解析する。数十ページの入札説明書から、参加表明書の作成に必要な項目を約1分で抽出して整理できる。項目は「同種業務」「類似業務」「必要資格」「発注者名」「同種業務検索キーワード」だ。

 これらの項目を、自社の技術者の業務実績や保有資格などと照らし合わせて、複数の管理技術者の候補を自動で選出。表彰や業務評定点、実績などに対する評価点を技術者ごとに一覧で表示する(図2)。

図2■ 管理技術者の候補を選出
図2■ 管理技術者の候補を選出
技術提案評価点が高い順に、管理技術者の候補が上から表示される(資料:建設技術研究所)
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 手持ちの業務件数が分かるため、特定の技術者に業務が集中しないよう配慮できる。部門長などはこれらの情報を基に、管理技術者を最終判断する。従来は、案件ごとに異なる入札参加条件に合わせて、適切な実績や資格を持つ技術者を探していた。

 管理技術者の候補を決めたら、その技術者の保有する資格や業務成績など、参加表明書の記入事項はシステムが自動で入力する。「手動入力と比べて、記入ミスが減り作業時間が短縮した」。建設技術研究所国土文化研究所の山脇正嗣主幹は、こう話す。

 同社は開発したシステムを12部署で本格的に運用している。関東地整や北陸地整以外の整備局の案件に導入するには、地整ごとで異なる入札説明書のフォーマットをAIに学習させる必要がある。

 今後は参加表明書だけでなく、技術提案書の作成を支援するシステムの開発も目指す。参加表明書と比べて、記述の自由度が高く自動化が難しい。現在は提案書から記載漏れや記入ミスを見つけ出すシステムが試験段階まで進んでいる。