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 エスイーは、超高強度合成繊維補強コンクリート「ESCON(エスコン)」と高強度鉄筋(USD685)を組み合わせたプレキャスト床版「ESCONスラブ」を開発した(図1)。鉄筋コンクリート(RC)床版でありながら、薄型・軽量で耐久性に優れている。古い基準で設計したRC床版の更新工事で、主桁や橋脚などを補強する必要がない。

図1■ 接合部もプレキャスト部材と同等の性能を発揮
図1■ 接合部もプレキャスト部材と同等の性能を発揮
ESCONスラブのイメージ(資料・写真:エスイー)
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 一般的なプレストレスト・コンクリート(PC)床版やRC床版と比べて、ESCONスラブの厚さは7割程度、重量は8割程度に抑えられる。

 2019年1月までに実施した輪荷重走行試験で、52万回の繰り返し載荷後も目立った損傷は発生しなかった(写真1)。耐用年数は100年以上に当たり、道路橋示方書で定める耐力を十分に上回っていることを確認した。

写真1■ 鉄輪を用いた輪荷重走行試験の様子(写真:エスイー)
写真1■ 鉄輪を用いた輪荷重走行試験の様子(写真:エスイー)
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 ESCONは、エスイーが開発した超高強度合成繊維補強コンクリートだ。ビニロン系の合成繊維を補強材料に用いている。圧縮強度が150N/mm2、曲げ引張強度が20N/mm2と高く、一般的なコンクリートの6、7倍以上の強度を持つ。

 混和剤(高性能減水剤)や柔軟性のある繊維補強材を使用しており、コンクリートの流動性は高い。超微細子のシリカフュームを添加して、セメント粒子の隙間を埋める緻密な構造を実現しているため、水や空気などの劣化因子が浸入しにくい。海沿いや豪雪地帯などの厳しい環境下での使用に向く。

 ESCONは現場での打設にも使えるため、ESCONスラブ同士の継ぎ目もプレキャスト部材と同等の性能を発揮できる。

 1964年(昭和39年)以前の示方書で設計したRC床版は、疲労耐久性などを考慮していないために、今の基準に照らして造ったRC床版やPC床版と比べて薄い。古い道路橋のRC床版は一般的にPC床版に更新するケースが多く、その重さに耐えられるように下部構造や桁の補強が必要となる。

 現行の示方書に基づいて造ったESCONスラブは、1964年以前の示方書によるRC床版とほぼ同じ重量でありながら耐久性が高いため、下部構造などを補強せずに床版を更新できる。

 また、PC床版のように現場で橋軸方向に鋼材を緊張する必要がないため施工性に優れている。床版1枚単位での打ち換えも容易だ。PCの専門会社に限らず、幅広い建設会社が取り扱える。

 ESCONスラブは高強度の材料を使用しているため、PC床版と比較すると初期の材料コストは高い。ただし、軽量なので床版更新事業において橋脚など他の部材の補強を必要とせず、重機の小型化を見込め、総工費を減らせる。