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 阪神高速道路会社鹿島は、共同で開発した「UFC(超高強度繊維補強コンクリート)道路橋床版」を、阪神高速12号守口線本線の床版取り換え工事に採用した。本線での適用は国内初だ。

 両者は2018年に、阪神高速15号堺線玉出(たまで)入り口ランプでUFC床版の試験施工を実施した。その成果を踏まえて、床版架設の工程をほぼ半減するなど施工法を改良。幅員が広くて、通行止め期間のさらなる短縮を求められる本線でも使えるようにした。

 工期短縮を実現する取り組みの1つが、UFC床版の荷下ろしから架設までを1台でこなす専用の架設機の採用だ(写真1)。トラックの荷台からUFC床版を直接受け取ると、その場で進行方向に旋回し、所定の位置まで運搬して架設する。

写真1■ 専用の架設機によるUFC床版の荷下ろしから架設までの流れ。トラックの荷台からUFC床版を直接受け取り(左の写真)、その場で旋回。所定の位置まで運搬した後、床版を下ろして架設する(写真:阪神高速道路会社、鹿島)
写真1■ 専用の架設機によるUFC床版の荷下ろしから架設までの流れ。トラックの荷台からUFC床版を直接受け取り(左の写真)、その場で旋回。所定の位置まで運搬した後、床版を下ろして架設する(写真:阪神高速道路会社、鹿島)
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 UFC床版と鋼桁を一体化する工程では、ずれ止め用スタッドの設置方法を工夫した。通常よりも短い6cmのスタッドを床版と鋼桁とに事前に設置しておき、貫通孔を半分程度に減らした(図1)。

図1■ 床版と鋼桁のどちらにもスタッド設置
図1■ 床版と鋼桁のどちらにもスタッド設置
ずれ止め部のイメージ(資料:阪神高速道路会社、鹿島)
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 半減した貫通孔には従来通りスタッドを設置し、高強度なUHPFRC(超高性能繊維補強セメント系複合材料)を充填する。UHPFRCは圧縮強度が120N/mm2以上で、場所打ちが可能なセメント系材料だ。貫通孔が少ない分、工程を減らせるとともに雨水などの浸入を抑えられる。

 その他、ウオータージェットを用いた既設床版の急速撤去工法などによって、更新工事で通行止めにした期間は約17日間で済んだ。従来の工法ならば、1カ月程度必要だった。

 UFC床版は180N/mm2の圧縮強度と、100年以上の疲労耐久性を有する。製作コストは、通常のPC(プレストレストコンクリート)床版の約1.4倍だ。ただし、鋼桁の補強工事を減らせ、路面高の調整が要らないため、総コストは低くなる見込みだ。