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 安藤ハザマ金沢工業大学は、コンクリートの締め固めの完了・未完了を人工知能(AI)で即時に判定するシステムを開発した(図1)。モニターへ判定結果を表示するまでのタイムラグは1秒程度だ。

図1■ コンクリートの表面を映すだけ
図1■ コンクリートの表面を映すだけ
コンクリートの締め固めAI判定システムの概要図(資料:安藤ハザマ)
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 現場では締め固め中のコンクリートの表面をビデオカメラで撮影するだけでよい。AI判定プログラムを搭載したパソコンが、表面の変化を読み取って完了・未完了を判定する。

 システムには、AIのディープラーニング(深層学習)を用いた。事前の準備として、コンクリートの専門家による締め固めの判定結果を学習させる必要がある。

 コンクリート製品の工場で実施した試験では、締め固め作業中のコンクリート表面の映像を、メッシュ状に24分割してモニターに表示。分割した枠ごとに状態を判断し、締め固め未完了の枠は赤色、完了すると緑色で表示させた(図2)。

図2■ 赤から緑に変われば完了
図2■ 赤から緑に変われば完了
モニターに表示された、判定結果を示すメッシュ枠の色の変移。赤が未完了で緑が完了を表す(資料:安藤ハザマ)
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 これにより、作業従事者はモニター上に送られてくる判定結果をほぼリアルタイムで認識しながら、締め固めできる。

 型枠に打ち込んだ生コンクリートから余分な空気を追い出しながら隅々まで充填していく締め固め作業は、品質を担保する上で重要な工程だ。締め固めの判定は通常、作業者本人が目視で行う。その判断の精度は人によって異なるため、安定した品質を確保することが課題だった。近年は熟練作業者の減少に伴い、品質確保がさらに難しくなっている。

 作業者に、AIによる締め固めの完了判定結果を示せれば、経験や力量にかかわらず安定した品質でのコンクリート施工が可能になる。今後、判定プログラムに改良を加え、自社グループのコンクリート製品工場への展開を目指す。