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 大林組は、暑中期など外気温が高い状況でも施工に必要な流動性を保持するコンクリート「サンワーク」を開発した。コンクリートの温度が35~40℃でも、コールドジョイントや充填不良といった不具合が生じず、良好に打設できる(図1)。

図1■ 35℃超でも流動性を保つ
図1■ 35℃超でも流動性を保つ
サンワークの流動性の経時変化。大林組社内で比較した結果。カッコ内の数値はコンクリートの温度(資料:大林組)
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 サンワークは生コンクリートに特殊混和剤を添加し、かくはんして作る(写真1)。添加するタイミングは運搬距離や打設現場の状況によって変わる。

写真1■ サンワークはコンクリートに特殊混和剤を添加して混ぜるだけで製造できる。添加量は、セメント量の0.1~0.3%程度(写真:大林組)
写真1■ サンワークはコンクリートに特殊混和剤を添加して混ぜるだけで製造できる。添加量は、セメント量の0.1~0.3%程度(写真:大林組)
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 特殊混和剤は、コンクリートの凝結を遅らせると同時に粘性を保つ効果がある。一般的な化学混和剤と同じポリカルボン酸を主成分とするため、強度や耐久性など硬化後の性状に影響を与えない。セメントや骨材、混和材、化学混和剤など材料の種類にかかわらず使える。

 最高気温が35℃を超える夏季の猛暑日などは、セメントの水和反応が促進されて硬化が早まり、コールドジョイントや充填不良といった不具合が発生しやすい。そのため、土木学会のコンクリート標準示方書や日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説(JASS5)では、コンクリート温度を35℃以下にするよう定めている。

 しかし近年、地球温暖化の影響やヒートアイランド現象などによって猛暑日が増えており、コンクリートの温度を35℃以下に制御することが困難になってきた。

 サンワークはコンクリートの温度が35℃以下の場合でも、コンクリートの流動性を長時間維持させる効果を持つ。大林組は猛暑日の対策に限らず、夏場における作業負担軽減などの効果を期待して、社内での普及を図る。外販も視野に入れる。