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 鹿島ケミカルグラウト(東京都港区)は、薬液を注入する地盤改良工事などで、N値が最大で80程度の硬い地盤でも自在に削孔するボーリング技術「NaviX(ナビックス)工法」を共同開発した(図1)。曲率半径が10mの急曲線削孔が可能となり、施工の自由度が向上する。

図1■ 急曲線の削孔が可能に
図1■ 急曲線の削孔が可能に
「ナビックス工法」のイメージ。硬い地盤や急曲線など、多様な施工条件に対応する(資料:鹿島)
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 両社が2001年に共同で開発した曲がりボーリング技術「CurveX(カーベックス)工法」を改良した。障害物を避けながら3次元的に削孔する同工法は、海底トンネルやタンクなどの薬液注入で、29件の工事実績を持つ。しかし、N値が30以下の地盤にしか適用できなかった。

 そこでナビックス工法は、硬い地盤や障害物にも対応できるよう、硬質チップを装着した「先端ビット」を新たに開発。これを削孔ロッドに取り付けた。高周波の振動を与えながら回転して掘り進める。

 先端ビットと高周波振動の相乗効果で、硬い地盤や残置コンクリート片などの障害物がある地盤を削孔する。なお、高周波振動は、削孔状況に応じて作動させる。

 施工の自由度を高めるために、急曲線に対応できるよう改良を加えた。削孔ロッドには耐摩耗性を高めた特殊鋼を採用。管の直径を7.3cmと細くすることで、30mだった曲率半径は10mに。さらに、削孔ロッドの地盤への入射角度は従来の最大30度から同45度へと変更した。そのため、施工機と地上にある障害物との離隔を縮められる。

 その他、設備の自動化で作業時の負担と人員を削減した(写真1)。ボタン操作で、削孔ロッドの継ぎ足しから引き抜き、洗浄、格納までを自動化。削孔ロッドが20本までならば、ボーリングマシンのオペレーター1人で作業を完結できる。

写真1■ ナビックス工法の施工機械。高周波振動装置を搭載している。オペレーター1人で削孔作業が行える(写真:鹿島)
写真1■ ナビックス工法の施工機械。高周波振動装置を搭載している。オペレーター1人で削孔作業が行える(写真:鹿島)
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 従来は削孔ロッドを接続するのに2人を要していた。位置検知センサーを操作する要員が別途1人必要であるものの、センサーの挿入と計測も自動化し、削孔作業を総合的に省力化した。