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 阪神高速技術(大阪市)とテクノ阪神(大阪市)、大日本印刷は、高速道路の工事などで車線規制している範囲よりも手前の路面に矢印形の光を照射し、早めの車線変更を促す「規制工事予告技術」を共同開発した(写真1)。予告看板に「小型照明装置」を取り付けるだけでよい。

写真1■ 路面に矢印形の光を照射して試験している様子。工事の予告看板1枚につき1個の小型照明装置を取り付ける。通常、高速道路上で交通規制を伴う工事を実施する際は、規制箇所の手前に予告看板を設けてドライバーに告知していた(写真:阪神高速技術)
写真1■ 路面に矢印形の光を照射して試験している様子。工事の予告看板1枚につき1個の小型照明装置を取り付ける。通常、高速道路上で交通規制を伴う工事を実施する際は、規制箇所の手前に予告看板を設けてドライバーに告知していた(写真:阪神高速技術)
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 小型照明装置は、手で持ち運べる大きさだ(写真2)。消費電力が少なくバッテリーで駆動するため、常設電源からの給電が要らず、設置位置の制約を受けない。光が点滅する照射方法で約8時間稼働する。ただし、看板にモバイルバッテリーを装備できる仕様にしており、給電しながらの使用も可能だ。

写真2■ 小型照明装置の重さは約550g。全長は24.5cm、直径は4.6cm(写真:阪神高速技術)
写真2■ 小型照明装置の重さは約550g。全長は24.5cm、直径は4.6cm(写真:阪神高速技術)
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 小型照明装置は、大日本印刷が2019年に開発した。指向性の高い光源と、表示する光の方向を制御する微細加工技術とを組み合わせている。様々な光のパターンを数メートルから数十メートル先まで明瞭に表示できる。想定される用途は、災害時の避難誘導や工場内での注意喚起、トンネル内の警告表示、プロジェクションマッピングなど幅広い。

 小型照明装置の機能を生かしながら、高速道路の工事現場に適する仕様に改良したのが規制工事予告技術だ。走行車両からの視認性にこだわった。ドライバーが直感的に認知しやすくなるように、光で表現する形状や照射位置を検討。矢印形を15~25m先の路面に照射できるようにした。

 小型照明装置を工事の予告看板に取り付けることで、空間に制約がある高速道路上でも効果的な表示が可能になった。予告看板への取り付け方法を検討し、取り付け部の設計と製作も行った。

 今後は関係機関の協力の下、高速道路本線で試験的に運用する。