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 北斗測量設計社(福島県会津若松市)と日本測量協会は、ドローンによる空中写真測量で、地形の勾配急変部などを精度良く3次元の点群データに変換する手法を共同開発した(図1)。従来はレーザー機器の利用が一般的だった植生下の地形も、一定の条件下ならば写真測量が可能だと確かめた。

図1■ 従来は地形の輪郭が曖昧だった
図1■ 従来は地形の輪郭が曖昧だった
開発した手法(上)と一般的な手法(下)による測量成果を同一地点で比較した。下は勾配の急変部の輪郭がぼやけている他、植生が点群に変換されて表面がざらついている。小山のような突起は計測時のノイズなど(資料:北斗測量設計社、日本測量協会)
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 新しい手法では、ドローンを飛ばす前に簡易な目印を勾配急変部に置いたり、現地踏査して計測したりする方法を写真測量と組み合わせる。

 ドローンを使った空中写真測量は自動化が進んでいる。測量範囲などを指定すれば、専用のソフトウエアが編み出した経路に沿って、ドローンが一定の高度で飛びながら連写。連続する2枚の写真の8割ほどが一致するように速度を調整する。その後、わずかにずれた2枚の写真の共通点を数学的に割り出すなどして、3次元の点群データを自動作成する。大量の写真を数時間で処理できる。

 半面、起伏や植生のある地形では、測量精度が著しく低下する恐れがあった。最たる例は、勾配が急変する地形だ。急変部が共通点として認識されず、勾配の変化点の座標が抜け落ちやすい。輪郭がぼやけ、地形を正確に3次元化できなかった。

 そこで、あらかじめ急変部の縁沿いに対空標識と呼ぶ目印を設置。ソフトウエアが点群を作成する際に、写真上の対空標識をつないで変化点を認識できるようにした。目印にするだけなので、座標の計測は必要ない。ドローンに搭載するカメラのレンズとセンサーの組み合わせを調整するなど、計測精度を高める工夫も施した。

 また、現地踏査で草の高さや生育範囲などを計測すれば、ドローンによる測量成果を補正して植生下の地形の点群データを作れることも確認した。これまでは、高価なレーザー計測機を搭載したドローンなどを用いる必要があった。

 他にも、点群データのノイズの除去方法や、ドローンの高度・経路を調整してまばらな木々に隠れた地形を測量する手法などを検討した。

 国土交通省がドローンによる空中写真測量を用いた出来形管理要領にを作成した結果、出来形の計測や概算土量の算出などで写真測量が多用されるようになってきた。一方、ミリメートルの単位の測量精度が要求されるようなケースでは、ドローンによる空中写真測量の精度が及ばず、利用しづらかった。