NejiLaw(ネジロウ、東京・文京)とIHI、IHIインフラシステムは共同で、センサー機能を備えたネジによる長大つり橋のモニタリングシステムの運用を開始した。離れた場所から橋の部材間で生じる応力を常に把握でき、地震や強風があった際に部材の損傷度合いをAI(人工知能)が自動で推定する。
センサー機能を備えたネジは、NejiLawが開発した「smartNeji(スマートネジ)」だ。軸力センサーの役割を果たすボルトに、通信機能を搭載してデータをリアルタイムに送信する(資料1)。
2022年4月にシステムの運用を始めたのは、23年に開通から50年を迎える関門橋(山口県下関市、北九州市)。本州と九州を隔てる関門海峡に架かる全長1068m、中央径間712mのつり橋だ(資料2)。
関門橋は、トラス構造の桁の上に床組みを載せた構造を持つ。地震など水平方向に掛かる力で床組みが移動するのを防ぐ役割を果たすのが、床組み固定装置だ。下関側から主塔に至るまでの中央付近に6カ所設置しており、このうち1カ所の固定にスマートネジを使った。