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 土砂や砕石を締め固める振動ローラーで、地盤の密度を測定し、工事関係者間でデータを共有して遠隔での施工管理を可能にする。そんな技術を大成建設大成ロテックソイルアンドロックエンジニアリング(大阪府豊中市)、ランドログ(東京都港区)が共同で実用化した。

 国土交通省による「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」を通じた取り組みだ。

 大成建設は、振動ローラーを自動運転させて地盤を締め固める転圧技術を既に開発済みだ。一方、その後の品質確認は自動化できておらず、人手を割く計測に依存していた。実用化した技術では、転圧後に振動ローラーをもう1度走らせるだけで、締め固め度を確認できる(写真1)。

写真1■ 密度計と水分計を収納した車輪状の計測機器を、振動ローラーの前輪と後輪の間に設置した。静岡県御殿場市内で大成ロテックが施工中の138号BP水土野北地区舗装工事で、開発した技術を適用する様子を公開した。2020年11月18日撮影(写真:日経クロステック)
写真1■ 密度計と水分計を収納した車輪状の計測機器を、振動ローラーの前輪と後輪の間に設置した。静岡県御殿場市内で大成ロテックが施工中の138号BP水土野北地区舗装工事で、開発した技術を適用する様子を公開した。2020年11月18日撮影(写真:日経クロステック)
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 計測には振動ローラーの前後の車輪の間に取り付けた転輪型RI密度水分計を用いる(写真2)。車輪状のパーツ内に放射線源と検出器を入れ、放射線が土などによって散乱する状況を検出器で捉えて締め固め度を測る。計測データはクラウド上で管理している。この測定機器は、既存の振動ローラーに後づけが可能だ。

写真2■ 半径の大きな車輪に密度計、小さな方に水分計が収納されている。放射線を用いて測定する点は、人手で実施するRI法と同じだ(写真:日経クロステック)
写真2■ 半径の大きな車輪に密度計、小さな方に水分計が収納されている。放射線を用いて測定する点は、人手で実施するRI法と同じだ(写真:日経クロステック)
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 従来のRI法による測定では、100m2当たり1カ所の頻度で1500m2の範囲を測定する場合、70~100分を要していた。これに対して、開発した技術では測定時の振動ローラーの走行速度は時速1kmと遅いものの、走らせるだけで100m2当たり30カ所の頻度で計測できる。1500m2の測定時間は約90分だ。

 加えて、材料や転圧回数による従来の品質管理では、締め固め度を正確に測れる地点が少なく、舗装材を敷く前の原地盤の異状を見抜くのが難しい。そのため、原地盤に起因した舗装の損傷などを防ぎにくかった。

 開発した工法では、施工中に面的な地盤密度などの管理が可能となり、そういったトラブルを防ぎやすくなる。測定の自動化に要するコストは、従来の人手による測定と同等の水準を目指す。

 大成建設では今後、自動運転できる振動ローラーに搭載して、施工と測定の両者を自動化する目標を掲げている。