NEWS 技術
目次
-
大型ダムに洪水被害者を最大2割減らす効果
国立環境研究所と東京大学、米ミシガン州立大学は、世界で稼働している既存の大型ダムには100年確率の洪水に遭う人口を最大で約20%減らす効果があると明らかにした。
-
現場打ち可能な超高強度セメント系複合材
鹿島と中日本高速道路会社は、道路橋床版の補強・補修工事で、超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を現地で製造して打設する工法を共同開発した。鉄筋を使わず薄層でありながら、高い耐久性を確保できる。床版の増し厚を抑えられるため、下部構造の補強などは不要だ。耐用年数は防水工を施す前提で100…
-
施工中の土留め変状を点灯で知らせる
熊谷組は土留め支保のひずみを感知し、しきい値を超える変状が生じるとLEDが赤く点灯して周囲に危険を知らせる「KMLAセンサー」を開発した。センサー背面に付いたネオジム磁石で鋼材に手軽に着脱できる。計測したい箇所に取り付けるだけなので、専門的な技能は不要だ。
-
CO2、8割減のコンクリート製品の普及狙う
大成建設は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減する環境配慮コンクリート「T-e Concrete」を使った土木・建築用2次製品の開発・普及を加速させる。土木や建築の資材メーカーなど8社から成る「T-e Concrete研究会」を設立。研究会では既にボックスカルバートやL形擁壁などの試作品を開発済みだ。
-
廃ペットボトルで高耐久性アスファルト舗装
日本道路は廃棄されるペットボトルを混ぜたアスファルト混合物による高耐久性舗装工法「スーパーPETアスコン」を開発した。舗装面積100m2当たり、1500本の廃ペットボトルを活用できる。従来の高耐久性舗装を上回る耐久性を持つ。
-
現実の橋の点検をVRで練習
建設技術研究所はVR(仮想現実)の制作が得意なエドガ(東京都江戸川区)の協力を得て、橋梁の点検を疑似体験する社内研修用のVRコンテンツを開発した。国土交通省が管理する鋼製の鈑桁橋を対象に、360度カメラで撮影した画像を見ながら損傷の箇所や度合いなどを確認する。
-
PC橋の鋼材の緩みを誤差2%で推定
東電設計など4者は、既設のプレストレスト・コンクリート(PC)桁内に配したPC鋼材の緊張力を桁表面のひずみやひび割れ幅から推定する手法を開発した。劣化状態を定量的に把握し、維持管理の効率化につなげる。東京理科大学の加藤佳孝教授、高速道路総合技術研究所、飛島建設との共同研究を通じて実用化した。
-
セメント不要のコンクリート
奥村組土木興業とスペースK(東京都世田谷区)は共同で、産業副産物である鉄鋼スラグを骨材や結合材に使う「スラグ固化体」を開発した。セメントを全く使わずにコンクリートと同等の強度を得られる。原材料の製造過程で排出される二酸化炭素を、一般的なコンクリートと比べて99%削減できる。
-
堤防構造の弱点が分かる
応用地質は、けん引式の電気探査測定器「オームマッパー」を改良して、河川堤防の弱点部分を効率的に可視化する手法を開発した。川の水が堤防背後から噴出する「パイピング」の原因となる法尻付近の脆弱な地盤構造を詳細に把握できる。
-
木材由来のアスファルト舗装の開発に着手
日本製紙と大成ロテックは、木材由来のクラフトリグニンをアスファルト舗装の原料の一部に利用した「バイオアスファルト混合物」を共同で開発する。化石燃料の消費を抑え、省エネを図る新たな舗装用材料として実用化を目指す。
-
時速30kmで走行する自動運転ダンプ
大林組と日野自動車はダムの建設現場内で、大型ダンプトラックによるレベル4相当の自動運転の実証実験に成功した。最長1.3kmのルートを、最高時速30kmで走行した。ダンプトラックを使ったレベル4の実証実験は、日野自動車にとって初の取り組みだ。
-
コンクリ補強材に5500km分のCFRP採用
米国の海上橋梁拡幅工事で、コンクリート桁や杭の補強材の合計5500km分に、東京製綱インターナショナルが開発した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)材料の採用が決まった。CFRPは耐腐食性や軽量性に優れており、米国でインフラへの採用件数が近年急激に増えているが、これだけの規模で使われるのは初めてだ…
-
走るだけで密度を測れる振動ローラー
土砂や砕石を締め固める振動ローラーで、地盤の密度を測定し、工事関係者間でデータを共有して遠隔での施工管理を可能にする。そんな技術を大成建設と大成ロテック、ソイルアンドロックエンジニアリング(大阪府豊中市)、ランドログ(東京都港区)が共同で実用化した。
-
3Dプリンター用モルタルで型枠造形
清水建設は、コンクリート用3Dプリンターで埋設型枠を造形するのに適した繊維補強モルタル「ラクツム(LACTM)」を開発した。3Dプリンターを使って現場作業を省力化し、技能者不足に対応する。
-
トンネル施工管理を疑似体験
演算工房(京都市)はトンネルの施工管理を疑似体験する屋内型のトンネルショールーム「ATOM」を造った。最新のICT(情報通信技術)の使い方を現場へ行かなくても学べ、その効果を体感できる。同社によると屋内型のトンネルショールームは世界初だ。
-
防水ファスナー式の仮締め切りで工費2割減
YKKなど4社は、ファスナー付き防水シートで覆うライナープレート工法を共同開発した。水面下の既設橋脚などの補修・補強に必要な仮締め切りで用いる。潜水作業を大幅に減らせる上に、大型機械に頼らずに施工できる。共同開発者はYKKの他、アザイ技術コンサルタント(堺市)とアジア海洋(東京都中央区)、三国屋建…
-
世界初、自己治癒コンクリートの大量製造
會澤高圧コンクリート(北海道苫小牧市)とアイザワ技術研究所(札幌市)は、コンクリート構造物のひび割れなどの損傷をバクテリアが自動修復する「自己治癒コンクリート」の量産技術を世界で初めて確立した。2020年11月16日から自己治癒化材料の製造を開始している。年間70万m3に相当する自己治癒コンクリー…
-
うるさい現場と意思疎通できるビデオ通話
IT(情報技術)サービスを展開するクアンド(北九州市)は、従来のビデオ通話ソフトにない機能を搭載した建設現場向けの遠隔コミュニケーションツール「SynQ Remote(シンクリモート)」を開発した。離れた場所でビデオ通話しながら、描画やポインターの機能を使って現場のスマートフォンに指示できる他、音…
-
街を襲う津波をリアルな映像で再現
大成建設は、津波による浸水の解析結果を短時間で3次元映像へ自動変換し、浸水状況などを可視化する技術「T-Tsunami Viewer」を開発した。広域から街区単位まで様々な規模で津波の挙動を解析。分かりやすい映像にして、より効果的な防災対策につなげる。
-
テレワーカーが操る人型ロボット開発へ
川田テクノロジーズと川田工業(富山県南砺市)は芝浦工業大学と共同で、現場の人型ロボットを遠隔地から操り、品質・出来形管理を支援する「アバターシステム」の開発に着手した。2020年度から3年間の計画で、22年度をめどに橋梁架設現場での試用を目指す。