全1022文字

読者のみなさまからの投稿をお待ちしております。広く土木建設業界に対するご意見を自由にお書きください。掲載分には薄謝を進呈します。
>> 日経コンストラクション投稿フォーム

国は近江商人の三方よしの理念を
大前 延夫(72、建設コンサルタント会社)

 i-ConstructionなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)化で建設業界の生産性が上がるといわれているが、本当にそうだろうか。

 長時間残業や休日返上での労働などの背景にあるのは、システム以上に、とかく求められがちな「良いものを安く早く(工期通り)」という国民の声ではないだろうか。

 限りある予算とそうした国民の声があるからか、国や自治体も予算を低く抑えようとする。確かに税金を使う以上、無駄遣いは良くないが、良いものを早くつくるにはそれなりにコストがかかる。

 発注者は、安さを追求するあまり、「この予算でこの内容の工事をすれば、請け負った会社の利益はいくらになるか」ということを全く考えていないかのように思う。利益が出るか出ないかギリギリの仕事を請け負い続けた結果、地方の建設会社を筆頭に疲弊。国土を支える建設業界の魅力低下と後継者不足につながった。

 建設会社やその社員は納税者でもある。会社が利益を得て社員数や給与が増えれば、納税という形で国に返る。近江商人がいう「買い手よし、売り手よし、世間よし」の三方よしの理念を国は持つべきだと思う。