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インフラ守る若者が増えない国の未来は暗い
今井 義明(72、建設コンサルタント会社)

 地方の建設コンサルタント会社で働いている。ここ数年は橋梁の点検・補修業務で忙しく、おかげさまで業績も好調だ。しかし、人材が足りない状況が続いている。

 即戦力となる経験者と次代を担ってくれる若者の両方を募集しているが、どちらも応募が全くない。経験者はより良い待遇や大きなプロジェクトを求めて大手を希望する。若者の多くは土木業界自体を敬遠しており、数少ない業界志望者も東京や大阪といった都会志向が強い。我が社のような地方の中小企業だと、最初から転職先、就職先として見てもらえていないように思う。

 この状況を打破しようと、3年前に知り合いの会社の協力を得て、試験的に外国人を2人採用した。2人とも母国の大学で土木を専攻していた優秀な若者で仕事にも熱心に取り組んでくれている。言葉の問題はあるが、もう少しすれば戦力になってくれるはずだ。

 日本人がやりたがらない仕事を外国人が担う。ある意味、時代の流れなのかもしれないが、自国のインフラや国土を守ることに興味を持つ若者が増えないと、この国の未来は暗いのではないだろうか。