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ベテラン中心のDX推進が理想
武田 啓司(55、機構・公社)

 少子高齢化で働き手が少なくなる。生産性向上のために建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は必要不可欠だ。実際、多くの会社や団体が積極的に取り組んでいることだと思う。

 ただ、「IT(情報技術)を活用するので、若手が取り組む仕事だ」と考えるベテラン技術者が多いように感じ、残念に思っている。

 確かに我々、ベテランに比べて若手は、ITなどの新しい技術については精通している。他方、これから仕事を覚えてマネジメント技術を身に着けていく段階だ。業務内容を俯瞰(ふかん)的に把握できるようになるには、まだまだ時間がかかる。生産性の向上につながる改善をと言われても、雲をつかむような部分も多いことだろう。

 建設DXにおいてITを活用するというのは、目的ではなく手段でしかない。目的はあくまでも業務改善であり、新しいビジネスモデルの構築である、ということを忘れてはいけない。

 そうであれば、業務の内容をよく知る人間がDX推進で中心となるべきではないか。プロジェクトマネジャーなどを経験し、全体を俯瞰して見られる。そんなベテラン技術者が中心となるのが、DX推進の理想的な姿だと思う。