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不可解な隣接工区の工事成績評定点
加藤 信彦(42、建設会社)

 ある幹線道路の拡幅工事を担当した。沿道に住宅や商店が立ち並ぶ地域だったので、近隣の住民に気を配りながら施工する必要があった。

 着工前に、住民の生活パターンや商店の特売日などを尋ねて回った。そこでつかんだ情報を基に、工事車両が出入りする時間を変えたり、大きな騒音や振動が出る作業の日程をずらしたりした。施工計画を30分単位で調整し、無事に竣工できた。

 ところが後日、隣接する工区を担当した建設会社の工事成績評定点を知ってがくぜんとした。自社の点数よりも明らかに高かったのだ。

 工事の内容はほぼ同じ。隣接工区の様子を毎日見ていたので、どのように作業していたのかも承知している。自社の工区と隣接工区とで、出来形や創意工夫に大きな違いはなかったはずだ。

 むしろ、近隣住民への対応は自社の方が上回っていた。隣接工区に面した家の住民が、「朝から工事がうるさいので何とかしてほしい」と、私に苦情を言いに来たくらいだ。

 隣接工区がどんな理由で高得点になったのか、理由は分からない。自分たちが頑張った現場だけに、不可解さが残る。