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中小の実態を踏まえたICT普及を
白山 公三(49、専門建設会社)
建設現場でのICT(情報通信技術)の普及が進んでいる。それが本当の意味で業界のためになっているのか疑問を感じる。ICT活用の本来の目的は生産性向上だ。しかし発注者が実際の現場を理解せずに、ICT機器があれば生産性を上げられると簡単に考えている気がする。
例えば、「レーザースキャナー出来形管理」では、従来の管理方法と比べて必要以上の点群密度を求められる。そもそも、それだけのデータを取得するには、高価で高性能のレーザースキャナーが必要になる。人材も育成しなければならない。
大手の会社ならば対応できるだろうが、中小の会社では導入をためらうのではないか。実際、私が聞いている中では、こうした作業を外注しているところがほとんどだ。これでは社内にノウハウが蓄積されず、人材も育たない。BIM/CIM時代を迎えるこれからはなおさらだ。
「簡易型ICT活用工事」も進みつつあるが、もっと多くの会社がICTを導入、活用できるようにすべきではないか。国や自治体は大手の会社ばかりを見ずに、意見交換などを通して中小の会社の実態もしっかりと知ってほしい。