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建設の技術開発にも国の資金を
永江 賢二(61、建設コンサルタント会社)

 ノーベル賞を受賞した本庶佑氏は、国に「基礎研究に支援を」と訴えていた。近年、成果が短期間で出る研究に予算が多く割り振られる傾向が強くなっていることに危機感があるからだ。

 建設業界でも、同じことが言えると思う。AI(人工知能)や3次元モデルを使った技術を開発し、それが業界に浸透して効果が出るまでには時間がかかる。だからこそ国はもっと資金を提供してほしい。新技術活用の方向性を示して、民間企業や研究機関が開発するのを待っているだけでは、業界の環境は変わらない。

 例えば、国土交通省は数年前からCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を推進し、3次元モデルの導入に取り組んでいる。しかし、測量や設計業務で3次元モデルを使っているのは大手の会社くらいではないだろうか。

 中小の会社が使ってみたいと思っても、機材の購入や管理にはお金がかかる。自治体の発注業務では3次元データが求められることもないので、CIMの使い道も少ない。現状ではアナログな世界のままだ。

 今はまだベテランの技術者が残っている。人手に余裕があるうちに、新しい技術に挑戦しておかなければ手遅れになる。中国のように国を挙げて投資しなければ、日本の建設業は取り残されてしまう。