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技術が進歩しても使いこなすのは技術者
武田 弘嗣(42、建設コンサルタント会社)

 i-Constructionをはじめ建設業界でもICT(情報通信技術)の活用が進んでいる。新技術によって誰もがベテラン技術者のような仕事ができ、生産性の向上と共に人手不足の緩和にも一役買っている。それ自体は非常に喜ばしいが、いくら技術が進歩しても機械やシステムは道具でしかないことを忘れてはならない。

 例えば、老朽化するインフラの状態を、撮影した写真や動画から自動診断するツールがある。過去のデータなどに基づいてAI(人工知能)などで診断するが、もしデータがない事案が発生した場合、正しい判断ができない可能性があるのではないか。

 そうしたとき、最終的に正確な判断を下せるのは技術者であるはずだ。機械に任せておけば一定の仕事ができると安心してしまい、自己の技術を磨かずにいると正しい判断ができなくなってしまう。

 かつて上司に言われたことがある。「技術が革新的に進歩しようが、それを使いこなすのは技術者だ」と。機械がいくら進化しても、それに頼り切るのではなく、技術を磨く大切さを肝に銘じたい。同時に、次の世代にしっかりと技術を継承していかなければならない。