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地元企業だけでは災害査定すらできない
石井 真治(45、建設コンサルタント会社)
少ない人材が都市部に集中し、地方になればなるほど、優秀な人材どころか人手の確保も厳しい状態が続いている。地方では都市部との技術格差も進む。このままでは、地方の会社は仕事があっても受注できなくなるのではないかと心配になる。
平時以上に心配なのが災害からの復旧作業だ。いざ災害となると多くの人手が必要となるが、地方では役所も土木事業者も人材が不足している。地域によっては、地元企業だけでは復旧工事どころか災害査定すら行えない。仕方なく都市部の会社に依頼するが、距離などの問題もあって迅速な対応が難しく、復旧が遅れてしまうことになる。
災害対応では、報酬の低さも問題だ。以前であれば、平時の公共工事を請け負うことである程度はカバーできていたが、どこの自治体も財政が厳しい今はそれも難しい。経営環境に影響を与え、優秀な人材を呼び込めない一因にもなっている。
一度に全てを解決できる妙案はない。まずは人材不足を補うために、フリーランスの技術士と連携して業務を行う体制を整えられないだろうか。平時から連携することで、災害時の対応力が高まるはずだ。