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異なる点検要領、データを生かせず
匿名希望(53、建設コンサルタント会社)

 高度経済成長期に造ったインフラが更新時期を迎え、全国で点検や補修が急ピッチで進んでいる。

 橋の定期点検は現在、2巡目に入った。だが、損傷などの評価基準となる要領が全国で統一されていないことに疑問を感じる。

 例えば、道路橋の場合、国や都道府県の多くは国土交通省道路局が2019年にまとめた「橋梁定期点検要領」を採用。一方、市町村の多くは同省国土技術政策総合研究所が07年にまとめた「道路橋に関する基礎データ収集要領」を使う。両者で損傷の評価区分や点検項目に違いがあるうえ、地域性などを考慮して要領に独自の変更を加えた自治体も多い。

 橋単体だけを見れば、大きな問題はないのかもしれない。しかし、要領が異なっているため、自治体間でデータの比較や検証が難しい。

 要領が統一されれば、橋の立地条件や構造に応じて、重大な損傷が生じる部分や時期などの特徴がつかめるかもしれない。点検や補修だけでなく、橋を新設する際にも役立たせられるはずだ。

 点検は限られた予算で実施している。もっとデータを生かせるようにすべきではないだろうか。

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