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 西日本豪雨の取材を終え、泥だらけの靴でJR広島駅に戻ると、お好み焼きを目当てに行列を作る観光客でごった返していた。地震災害と土砂災害では被災地の雰囲気が大きく異なるものだと改めて感じた。震災の場合、程度に差はあるものの建物やインフラの被害が広いエリアに及び、地域全体が「非日常」に陥る。一方、土砂災害の被害はピンポイントだ。被災箇所から少し離れたエリアは何ら被害を受けず、日常生活を営んでいる。被害が局所的であることは、地域全体で被災経験を共有し、生かすうえで大きな壁にもなり得る。(木村)

 西日本を襲った豪雨で多数の土砂崩れが生じた広島県呉市とその周辺市町に、被災から1週間後に訪れた。崩れた斜面に近付いて写真を撮ろうと一歩踏み出したその時、足が泥にはまってびくともしないことに気が付いた。水をたっぷりと含んだ泥は重く、同行者に引っ張ってもらわなければ抜け出せなかったほどだ。あんな泥が家に押し寄せたらと思うとぞっとする。砂防ダムなど土砂災害を防ぐインフラの拡充を求める声が強くなりそうだが、危険な場所に住まない、住ませないための検討が深まることを期待したい。(長谷川)