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マイクロクラックを誘発する「目荒らし」を死語に
小崎 隆晴(62、建機メーカー)

 最近、橋の長寿命化対策工事や護岸のかさ上げ工事の発注図書などに「目荒らし」という言葉が安易に使われていることに危うさを感じている。「ブレーカーで壊せ」と言っているようだからだ。

 橋面や護岸のコンクリートを打ち継ぐ場合はまず、長年の風雨や太陽光などで劣化した既設コンクリートの表面部分を取り除き、健全なコンクリートを露出させる。その後、新しいコンクリートを打設しなければならない。

 ところが、「目荒らし」は読んで字のごとく、単に表面を凸凹に削ればよいと考えがちで、多くの施工現場でブレーカーが使われている。

 既設コンクリートをブレーカーで削ると、マイクロクラックが無数に発生する。表面をなでると、粗骨材がぽろぽろと剥がれ落ちる。そこに新しいコンクリートを打設しても、十分な付着強度が得られないどころか、再劣化の原因にもなる。

 壊す作業ではなく、削る作業なのだと、概念を切り替えなければならない。そのためには今後、発注図書などで「目荒らし」は死語とし、「劣化層の削り」といった表現に改めるべきではないだろうか。