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「国土の均衡ある発展」、新型コロナで再評価
矢口 清太郎(72、建設コンサルタント会社)

 「国土の均衡ある発展」。国が旗を振り、土木界が戦後の国土形成やインフラ整備で掲げた理念だ。今こそ再評価すべきではないか。

 この理念に基づいて、道路建設や都市開発などが全国各地で進んだ。高度経済成長期を中心とする昭和期には十分に効果があった。

 しかし、平成期に入ると行き詰まった。不況が長引き、地方で少子高齢化が深刻になると、人やお金の流れが地方に及ぶことを狙って造ったはずのインフラが、逆に東京一極集中を助長してしまったからだ。地方では現在、人口減と財政難で既存のインフラの維持管理が重くのしかかっている。

 こうした時代の流れが、2020年に始まった新型コロナウイルスの流行で再度、大きく変わりそうだ。大都市への人口集中は、感染拡大の元凶となる「3密」の回避に不利であることが明白だからだ。

 土木インフラだけではなし得なかった地方への人口の分散が、ICT(情報通信技術)を駆使したオンライン取引やテレワークの拡大で進みそうだ。地方のインフラの需要が再び増す。その維持管理や更新に貢献していきたい。