法令や規則、企業倫理などの順守を意味するコンプライアンス。順守できない企業は倒産に、個人は懲戒処分に直結するケースが珍しくない。最近ではささいなルール破りでも、世間の批判を浴びて、経営に打撃を与える問題に発展。さらに、不祥事の後に必ず付いてくる再発防止策も極端に厳しくなりがちで、企業の首を二重に絞める。あなたの会社は大丈夫だろうか? コンプライアンス、なめると怖い。

特集
なめてませんか? コンプライアンス
ささいなルール破りが倒産や懲戒処分に
目次
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「意図的な違反」が倒産に直結
プロローグ 1つの過ちが命取り
1つの過ちが会社の経営を揺るがす──。建設業の意図的な法令違反などに伴う倒産数は、他業種と比べて多い。景気が落ち込む今後の局面では、急増する可能性も指摘されている。「違反を許さない」厳しい世間の目が、その傾向を加速させる。
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建機を巡る大型連鎖倒産の衝撃
不正取引
昨年から今年にかけて、建機・車両のレンタル業界で大型の連鎖倒産があった。倒産した企業間では不正取引が判明。不正に関わっていない多くの取引先が債権者となった。自社以外の不正にも気をつけておかないと、会社を滅ぼす恐れがある。
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大阪を震撼させた上下水道不祥事
材料偽装
大阪府内の自治体が発注した上下水道工事で、埋め戻し材の偽造が次々と発覚した。道路が直ちに使えなくなるほどの支障は生じていないが、発注者は契約違反が常習的に行われていたことを重く受け止め、施工者の入札参加停止や受発注者双方に負担が掛かる再発防止策を断行した。
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職場から設計価格をLINEで教示
情報漏洩
今年1月に新潟県佐渡市で発覚した官製談合事件では、市職員が建設コンサルタントの社員に設計価格をLINEで教えた。金銭などの授与はなく、仕事を相談する間柄だったという。ただしどんな理由があろうとも、法令違反の代償は避けられない。
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大林組の新・独禁法順守策に疑問の声
エピローグどこまでやる? 再発防止
同業者との懇親会禁止はやりすぎではないか──。リニア談合事件の起訴を受け、大林組が判決前に打ち出した再発防止策が波紋を呼んでいる。談合の原因を明らかにしないまま職員の行動を制約して、果たして正常に機能するのかは疑問だ。