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昨年から今年にかけて、建機・車両のレンタル業界で大型の連鎖倒産があった。倒産した企業間では不正取引が判明。不正に関わっていない多くの取引先が債権者となった。自社以外の不正にも気をつけておかないと、会社を滅ぼす恐れがある。

 「これだけ多くの企業に影響を与えた一連の倒産は、お目にかかったことがない」。

 ある建設機械メーカーの営業部長がこう振り返るのは、2017年から18年にかけて、建機業界を中心に発生した「連鎖倒産劇」だ。

 建機・車両のレンタルや販売を本業とするPROEARTH(以下プロアース、神奈川県厚木市)、大曲建機(秋田県大仙市)、そしてビバック(東京都品川区)などが次々と破綻していった(写真1)。さらに彼らの間で不正取引が行われていたことが発覚している。

写真1■ 2018年2月に破産手続きを開始したプロアースの神奈川支店。かつて重機が密に並んでいた車両置き場は、がらんとした状態だった(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 2018年2月に破産手続きを開始したプロアースの神奈川支店。かつて重機が密に並んでいた車両置き場は、がらんとした状態だった(写真:日経コンストラクション)
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 噂が噂を呼び徐々に信用が低下するなか、リース会社や建機メーカーなどあらゆる企業が、彼らとの新規取引から手を引き、手形の回収に乗り出す。だが時既に遅し。倒産が相次いで、取引のあった多くの企業が焦げ付いた。プロアースとビバックの両者の債権者は数百人以上、債権額は数百億円に上る。