土木のチカラ
目次
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過ごし方を自由に選べる「彫刻」のある広場
阪急神戸三宮駅前広場「さんきたアモーレ広場」(神戸市)
空中に飛び出た座面で読書する人がいれば、中央が膨らむ楕円体に寝転ぶ人もいる。阪急神戸三宮駅前に2021年10月、リニューアルオープンした「さんきたアモーレ広場」だ。彫刻のような造形物がベンチやテーブルとして機能する。
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かさ上げのまちと川をつなぐ公園
川原川・川原川公園(岩手県陸前高田市)
浅い川の流れを包むように、広大な水辺空間が広がる。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市が土地区画整理事業の一環で整備した「川原川公園」だ。面積約3.9ヘクタールの公園を貫き南北に流れるのは、津波の遡上で被害を受け、県が復興整備した「川原川」。県と市が足並みをそろえて川と公園を一体的に…
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港や公道をまたぐ都市型ロープウエー
YOKOHAMA AIR CABIN(横浜市)
地上約40mの高さへと上昇するゴンドラの窓の外に、ランドマークタワーやベイブリッジなど横浜ならではの景色が次々と現れた。
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大人も子どもも楽しめるトラス橋
森村橋復元・広場整備工事(静岡県小山町)
富士山麓に位置する町、金太郎生誕の町、東京五輪・パラリンピック2020の自転車競技ロードレースのゴールとなった町──。様々な異名を持つ静岡県小山町に、新たな名所が誕生した。復元した森村橋だ。
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駅前デッキが普段使いの空間に
藤沢駅北口ぺデストリアンデッキ「サンパール広場」(神奈川県藤沢市)
JR藤沢駅(神奈川県藤沢市)の2階改札から駅前デッキに出ると、大きく視界が開けた。木陰のベンチで本を読んだり、人工芝の広場で座り込んだり──。公園のようにくつろぐ人々の姿が見える。
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まちに開いた“棚田”の公園
九段坂公園(東京都千代田区)
坂道を上っていくと、歩道との境界をなくした開放的な公園が現れた。東京都千代田区の千鳥ケ淵沿いに2020年3月、リニューアルオープンした「九段坂公園」だ。東京五輪・パラリンピックを契機に、千代田区が整備した。
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三角形断面の鋼製桁がうねる旋回橋
リリーランゲブロ(デンマーク・コペンハーゲン市)
「北欧のパリ」と称されるデンマークの首都、コペンハーゲン市。歴史的建造物が数多く残る南東部のクリスチャンハウン地区と市の中心部とをつなぐ自転車・歩行者専用の鋼橋「リリーランゲブロ」が、2019年夏に完成した。
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渓谷の脇役に徹する扁平アーチ
天龍峡大橋(長野県飯田市)
水面からの高さは80m。橋から天竜川を見下ろすと、水墨画のような渓谷美が広がる。長野県飯田市に架かる鋼上路式アーチ橋「天龍峡大橋」は、自動車専用道路の橋の桁下に、検査路を兼ねる歩道を添架した珍しいつくりだ。途中2カ所にある展望デッキでは多くの人が足を止め、渓谷だけでなく、間近に迫る橋の部材などにも…
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川と街に開いた“壁”のない防潮堤
エルベプロムナード(ドイツ・ハンブルク市)
北海に注ぐエルベ川の河口から上流に約100km。ドイツ北部の港湾都市であるハンブルク市に2019年5月、全長625mの防潮堤が完成した。
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官民連携で渋谷に浮かぶ“空中公園”
MIYASHITA PARK(東京都渋谷区)
東京・渋谷駅から100mほど北に2020年7月、「渋谷区立宮下公園」がリニューアルオープンした。公園があるのは、3層にわたって店舗などが入る複合施設「MIYASHITA PARK」の屋上だ。立体都市公園制度を活用して、民間の商業施設の上に載せた公共の“空中公園”が実現した。
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ビルの谷間に架かるY字の人道橋
さくらみらい橋(横浜市)
横浜港に注ぐ大岡川の河口から100mほど上流に2020年6月、人道橋「さくらみらい橋」が架かった。橋から海側を望むと、都会らしい夜景が飛び込んでくる。
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極薄32mmのダクタル床版
浅野学園創立100周年記念リングおよび広場(横浜市)
標高35mほどの丘を登ると、頂上に空中回廊が姿を現す。横浜市にある中高一貫校、浅野中学・高等学校のキャンパスに2020年3月に完成した「浅野学園創立100周年記念リングおよび広場」だ。
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極上の眺望へいざなうデザイン
長崎稲佐山スロープカー(長崎市)
最大勾配は20度余り。丸みを帯びた車両が緑深い山の尾根伝いに最大毎分80mの歩くようなスピードで上っていく。2020年1月に運行を始めた斜面走行モノレール「長崎稲佐山スロープカー」だ。
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前代未聞、橋面を20mかさ上げ
ベイヨン橋のかさ上げ工事(米国ニューヨーク市~ベイヨン市)
米国の東海岸に、「世界で最も美しい」と呼ばれる鋼橋がある。1931年に建造された橋長2kmを超す中路式アーチのベイヨン橋だ。年間350万台の交通量を誇る同橋で、道路を供用しながら橋面を約20m上に付け替える前代未聞の工事が実施された。パナマ運河の拡張に伴って増加する超大型タンカーを、橋の下に通すた…
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幅16mの歩車道を全面フラット化
旧山陽道・萩往還の「松崎地区」(山口県防府市)
広々とした石張りの歩行者空間を観光客らが横一列に並んで、楽しそうに歩いている。その横を、速度を落とした自動車が遠慮がちに通り抜けた──。
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線路デッキの「細長いタイムマシン」
線路敷ボードウォーク広場(大分市)
JR大分駅から南東へ徒歩10分ほどの場所に、地元民でにぎわうウッドデッキの空間が誕生した。大分市が整備した「線路敷ボードウォーク広場」だ。鉄道の高架化で生じた線路跡地を利用しており、長さ440m、幅員15~27mと細長い形状が広場の特徴だ。
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「100年確率洪水」もデザインに
ハンターズ・ポイント・サウス・ウオーターフロント公園(米国ニューヨーク市)
米国ニューヨーク市を流れるイーストリバー沿いの埋め立て地に、人も生物も過ごしやすい湿地帯を備えた公園が2018年夏に完成した。ハンターズ・ポイント・サウス・ウオーターフロント公園だ。カンチレバー式の展望台からは、ニューヨークの摩天楼を一望できる。
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昭和モダン橋が送る“第2の人生”
やまだばし思い出テラス(鹿児島県姶良市)
昭和初期のコンクリート橋が姿を変え、かつての橋詰め付近で広場の一部として“第2の人生”を歩み始めた。2019年3月に完成した「やまだばし思い出テラス」だ。
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分断された街をつなぐ「橋脚の道」
ザ・ベントウエイ(カナダ・トロント市)
1958年に建設されたガーディナー高速道路の高架下で、全長1.75kmの空き地を多目的な公園として再生する画期的なプロジェクトに注目が集まっている。2018年8月にカナダのトロントで完成したザ・ベントウエイだ。
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民間力が生んだ「水辺のにぎわい」
勝山公園の鷗外橋西側橋詰め広場と水辺の遊歩道(北九州市)
西の空に日が沈む頃、北九州市の小倉都心部を流れる紫川周辺に、夕涼みを楽しむ人たちが集まり始めた。水辺でひときわ明るい光を放つのは、市の勝山公園に設置された飲食施設だ。店舗前の階段やスロープで水際に下りることができる。