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立体都市公園制度で商業施設と一体整備

 東京・渋谷駅から100mほど北に2020年7月、「渋谷区立宮下公園」がリニューアルオープンした。公園があるのは、3層にわたって店舗などが入る複合施設「MIYASHITA PARK」の屋上だ。立体都市公園制度を活用して、民間の商業施設の上に載せた公共の“空中公園”が実現した。

 公園だけでなく、店舗前の通路にも椅子やテーブルが並び、くつろげる場を創出。建物全体が開放的なつくりで、東側に隣接する明治通りからは公園や店舗を巡る人々の姿がよく見える(写真12)。

写真1■ 屋上に都市公園を備えた複合施設「MIYASHITA PARK」を北側から見下ろす。明治通り(写真左)とJR山手線・埼京線に挟まれた南北に細長い敷地に立つ(写真:吉田 誠)
写真1■ 屋上に都市公園を備えた複合施設「MIYASHITA PARK」を北側から見下ろす。明治通り(写真左)とJR山手線・埼京線に挟まれた南北に細長い敷地に立つ(写真:吉田 誠)
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写真2■ 東側の明治通りから見る。1~3階は飲食や物販などの店舗が入る。右奥のホテルも一体で整備した(写真:吉田 誠)
写真2■ 東側の明治通りから見る。1~3階は飲食や物販などの店舗が入る。右奥のホテルも一体で整備した(写真:吉田 誠)
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 旧宮下公園は、下層部に都市計画駐車場を備えた屋上公園だった(写真3)。老朽化に伴い、渋谷区は官民連携(PPP)事業として再整備を計画した。区は公募型プロポーザル方式で三井不動産を選定。宮下公園と商業施設、ホテルを一体にしたMIYASHITA PARKが生まれた。

写真3■ 改修前。駐車場の上に旧宮下公園があった(写真:渋谷区)
写真3■ 改修前。駐車場の上に旧宮下公園があった(写真:渋谷区)
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 渋谷区は30年間の事業用定期借地権を設定。三井不動産は工事期間を含む34年10カ月分の借地料として計235億2100万円を区に支払う。

 駅に近いとはいえ、宮下公園は高さ約17mの位置にある。「公園へのアクセスを分かりやすくすることが重要だった。デパートの屋上のようにぽつんと載せた空間ではなく、施設全体を1つの公園と捉えてミックスした」と、三井不動産商業施設本部アーバン事業部事業推進グループの松本和之統括は話す。テナントにとって一等地となる1階の南端と北端に、あえて階段やエスカレーター、エレベーターを配置した(図12)。

図1■ 各所にアクセス動線を配置
図1■ 各所にアクセス動線を配置
明治通りに架かる歩道橋からも直接、建物に入れる。人通りの多いキャットストリートから明治通りに向かう人の視線の先にも、目立つように縦動線を設けた。日建設計の資料を基に日経コンストラクションが作成
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図2■ 区道を挟む北街区と南街区をブリッジで連結
竹中工務店の資料を基に日経コンストラクションが作成
竹中工務店の資料を基に日経コンストラクションが作成
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竹中工務店の資料を基に日経コンストラクションが作成
竹中工務店の資料を基に日経コンストラクションが作成
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 明治通り沿いでも、既存の歩道橋と連結する箇所などに上下階へ移動できる縦動線を設けた。「建物をえぐる形で縦動線を配置して、公園への上り口が目立つようにした」。設計を担当した竹中工務店東京本店設計部の美島康人設計ISD(第6)部長は、このように説明する。

 敷地は南北に細長い。美竹通りを挟んで北と南に分かれる建物同士は、公園施設の一部と見なしたブリッジを道路上に架けてつなぎ、階段を設けた(写真4)。

写真4■ 明治通りに面した東側外観。区道の美竹通り上空にブリッジを架けて、約15m離れた北街区(右)と南街区(左)を一体化した。半屋外通路の3階アウトモールが見える(写真:吉田 誠)
写真4■ 明治通りに面した東側外観。区道の美竹通り上空にブリッジを架けて、約15m離れた北街区(右)と南街区(左)を一体化した。半屋外通路の3階アウトモールが見える(写真:吉田 誠)
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 目を引くのが、公園の上空を覆うアーチ状のキャノピーだ。ワイヤのメッシュで緑陰空間を作り、イベントなどに活用できる約1000m2の芝生広場を屋上に生み出した。

 「緑陰と渋谷らしいアクティビティの共存を目指した。キャノピーは公園の存在を示す役割を果たしている」。三井不動産とともにプロポーザルに臨み、基本計画などを担った日建設計設計部門の三井祐介シニアプロジェクトデザイナーはこう話す。20年9月末に催した9日間のイベントは、約4万人の市民でにぎわった。