北海道胆振東部地震が発生したのは9月6日午前3時7分。道内初となる最大震度7を記録した。日経コンストラクション記者は翌7日、斜面崩壊が多発した厚真町と、大規模な液状化が生じた札幌市清田区の住宅街に専門家とともに入った。被害の状況を伝えると同時に、発生のメカニズムを探る。

特集
北海道地震
水を含む風化軽石層が高速崩壊か
目次
-
粘性化した黄褐色層で滑る?
厚真町の斜面崩壊
地震発生の当日、夜明けとともに本格化した被災地からのテレビ報道は、斜面が広範囲に崩壊し、山肌が露出した異様な光景を次々と映し出した。被害が特に大きかったのが、震源に近い北海道厚真町だ。9月11日時点の死者41人のうち、36人が同町の土砂崩れで亡くなった。
-
谷埋め盛り土が低地へ流動
札幌市清田区の液状化
北海道厚真町から北西に約45km。札幌市清田区里塚1条地区の住宅街では、地震によって大規模な液状化が生じた。道路の陥没や沈下、大きく傾いた家屋などが、およそ2haの範囲に集中する。
-
極短周期で1505ガルの強い揺れ
地震の特徴
今回の地震の震源は北海道厚真町とむかわ町の境界付近で深さは37km、地震の規模を表すマグニチュードは6.7だった。東西方向に圧縮軸を持つ逆断層型で、地震発生時に断層が1.2mほどずれたとみられる。政府の地震調査委員会は9月11日、震源付近を南北に延びる活断層「石狩低地東縁断層帯」が動いた可能性は否…