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現場で暑さ対策が欠かせないのは人だけでない。コンクリートにも必要だ。示方書で認めているにもかかわらず、打ち込み温度が35℃を超えると、前例がないのを理由に打設を禁止する発注者が多い。関西から、そんな状況に「待った」をかける動きが出てきた。

 関西の街中を走る生コン車のドラムの色に、変化が表れている。最近、よく見かけるようになったと言われるのが“白いドラム”だ(写真1)。赤外線を反射する遮熱塗装で、生コンを出荷してから荷下ろしまでの運搬時に温度上昇を抑える効果がある。

写真1■ ドラムを「白塗装」した生コン車。運搬時のコンクリートの温度上昇を1~2℃抑える効果があるとされる(写真:大阪兵庫生コンクリート工業組合)
写真1■ ドラムを「白塗装」した生コン車。運搬時のコンクリートの温度上昇を1~2℃抑える効果があるとされる(写真:大阪兵庫生コンクリート工業組合)
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 最高気温が35℃を当たり前のように超える日が続いた今年の夏からすると、生コン製造者にとってみれば、わずか1~2℃の抑制でも、非常に大きな意味を持つ。

 そもそも2007年のコンクリート標準示方書では、「打ち込み時のコンクリート温度は、35℃以下でなければならない」と規定されていた。ただし12年の改定で、35℃を超える場合は、5つの項目を確認・検討することによって、打ち込みが認められるようになった。

 ところが、それでも打ち込み時のコンクリート温度が35℃を超えると打ち込みを中断する、または受け入れを拒否する発注者がいまだに多いという。製造者側が、練り混ぜ水を機械的に冷却する「チラー」を設備投資したり、ドラムに遮熱塗装したりするのはそのためだ。

 しかし彼らの努力も限界に達している。大阪では地形も手伝って、今年は8月までの猛暑日が27日に上った(図1)。最低気温が25℃を上回る熱帯夜も増え、前日に用意した材料の熱が抜けきらないまま出荷せざるを得なくなり、温度が上がる要因の1つになっている。打設時の温度を35℃以下に抑えようとするのは、環境面から見ても難しい状況になっているのだ。

図1 ■ 猛暑日日数の推移(東京・大阪)
図1 ■ 猛暑日日数の推移(東京・大阪)
2018年は8月31日までのデータ(資料:気象庁)
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