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解析で「低熱ポルトランドが効く」

 委員会では打ち込み温度が35℃を超える場合の最小ひび割れ指数に及ぼす影響について、解析も実施した。暑中期は温度ひび割れ指数が低下し、ひび割れが発生しやすくなる。

 内部拘束が卓越するフーチングや橋脚などのマスコンでは、35℃でも38℃でもひび割れ発生率がほぼ変わらないことが判明。一方、外部拘束が卓越する擁壁などは、38℃のひび割れ発生率が、35℃の場合よりも10%程度高くなる。

 マスコンのひび割れ対策としては、低熱ポルトランドセメントが有効であることも解析で分かった。また、内部拘束が卓越する構造物だけだが、気泡緩衝材などを使って保温養生することをガイドラインでは推奨している(写真3)。養生期間は必要だが、表面の温度を中心の温度に近づけることができる。

写真3■ 温度ひび割れの抑制対策として、打設後に気泡緩衝材で保温養生している(写真:JCI近畿支部「暑中コンクリート工事の現状と対策に関する研究専門委員会」)
写真3■ 温度ひび割れの抑制対策として、打設後に気泡緩衝材で保温養生している(写真:JCI近畿支部「暑中コンクリート工事の現状と対策に関する研究専門委員会」)
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 このようにガイドラインでは、35℃を超えるコンクリートについて様々なデータを収録している。ただし、これはあくまで関西での打ち込み例だ。使う材料や環境によって、結果は異なる可能性がある。

 「実験の結果を参考に配合計画を立ててもらい、基本は現場ごとで試験練りを実施して、5つの項目を確認してもらうことになる」と熊野教授は話す。