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山岳トンネルの覆工コンクリートの施工で、全作業を機械化した。コンクリートの打ち込みやセントルの設置など、いずれかの作業を機械化する従来のシステムと比べて人員を減らせる。さらなる省人化を目指し、棒状バイブレーターをかける作業が不要になる高流動コンクリートを一部に採用した。

作業員を6人から4人に削減

 福島県白河市内で進む南湖トンネルの工事で、西松建設・壁巣建設JVが覆工コンクリートの全作業を機械化する「自動化セントル」を初めて実装した(写真1、2)。

写真1■ 覆工コンクリートの施工作業を完全機械化した「自動化セントル」。機械操作の指示内容や施工中の測定結果は全て遠隔で確認できる(写真:西松建設)
写真1■ 覆工コンクリートの施工作業を完全機械化した「自動化セントル」。機械操作の指示内容や施工中の測定結果は全て遠隔で確認できる(写真:西松建設)
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写真2■ セントル内部から見た打設済みの覆工コンクリート。ひび割れは見当たらなかった。写真に映るのは横浜国立大学の細田暁教授。西松建設と覆工コンクリートの品質向上の技術を共同で開発している関係で、現場を訪れた(写真:村上 昭浩)
写真2■ セントル内部から見た打設済みの覆工コンクリート。ひび割れは見当たらなかった。写真に映るのは横浜国立大学の細田暁教授。西松建設と覆工コンクリートの品質向上の技術を共同で開発している関係で、現場を訪れた(写真:村上 昭浩)
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 セントルを所定の位置に据え付け、コンクリートを打ち込んだ後、脱型して次の位置へ移動する。これら一連の作業の大半を自動で行う(図1)。西松建設と岐阜工業(岐阜県瑞穂市)が共同開発したシステムだ。

図1■ 覆工作業を全て機械化
図1■ 覆工作業を全て機械化
西松建設への取材を基に日経コンストラクションが作成
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 現場で監理技術者を務める西松建設の八巻大介工事係長は「覆工作業の全工程にわたる省人化にこだわった」と話す。これまでどの工程にも作業員は6人程度必要だったが、この現場では4人以下に抑えた。

 覆工コンクリートのいずれかの作業を機械化するシステムの開発は進んでいる。ただし、それでは部分最適にすぎず、どこかの作業で手待ちが生じてしまう。全工程を一貫して機械化しなければ、本当の意味で人員の削減にはつながらない。