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危険を伴うトンネル切り羽周辺での作業時間が、新技術の導入によって大幅に減った。安藤ハザマは、ドリルジャンボによるせん孔作業の遠隔操作システムなどを六条院トンネル工事で導入。熟練作業員の経験と感覚に依存してきた現場からの脱却を目指す。

ICTでトンネル工事を一括管理

 トンネルの切り羽付近で、ドリルジャンボが大きな音を立てて稼働している。ただ通常の山岳トンネルの工事現場と違って、作業員などは誰もいない。運転席にも人影は見えない(写真1、2)。国土交通省中国地方整備局が発注した玉島笠岡道路の六条院トンネルで、施工者の安藤ハザマは遠隔地で操作できるドリルジャンボを採用している。

写真1■ ドリルジャンボの運転席。せん孔作業中は誰も座っていない。2020年7月撮影(写真:生田 将人)
写真1■ ドリルジャンボの運転席。せん孔作業中は誰も座っていない。2020年7月撮影(写真:生田 将人)
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写真2■ トンネル坑内に設けた制御室から、マシンガイダンス機能付きのドリルジャンボを遠隔操作している。せん孔作業中は切り羽周辺に人は立ち入らない(写真:生田 将人)
写真2■ トンネル坑内に設けた制御室から、マシンガイダンス機能付きのドリルジャンボを遠隔操作している。せん孔作業中は切り羽周辺に人は立ち入らない(写真:生田 将人)
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 作業員は切り羽から200m後方に設けた制御室から操作している。空調が利いており涼しい(写真3)。「快適だ。ずっとここで作業していたい」と作業員らは口をそろえる。

写真3■ 制御室内部。ドリルジャンボに搭載したカメラで撮った映像が、リアルタイムでモニターに映る(写真:生田 将人)
写真3■ 制御室内部。ドリルジャンボに搭載したカメラで撮った映像が、リアルタイムでモニターに映る(写真:生田 将人)
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 制御室は車両にコンテナを載せた簡易な作りだが、中にいると大きな音はほとんどしない(写真4)。作業員同士で協議しながら円滑に工事を進める様子が見られた。ドリルジャンボの運転席では、相談事があると稼働音にかき消されないよう声を張り上げなければならなかった。作業環境は劇的に改善された。

写真4■ 制御室の外観。車両にコンテナを載せた簡易な作りだ(写真:生田 将人)
写真4■ 制御室の外観。車両にコンテナを載せた簡易な作りだ(写真:生田 将人)
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 操作の簡素化も実現した。この現場では、切り羽の岩盤状況や発破による掘削出来形の測量データ、ICT(情報通信技術)に対応したドリルジャンボの施工データなど大量の情報を集めている。

 これらを基に発破パターンを作成するシステムを開発・導入した(図1)。安藤ハザマ先端技術開発部の天童涼太氏は「切り羽ごとに岩盤状況が異なっていても、最適なパターンを短時間で作成できる」と説明する。

図1■ 発破パターンを最適化
図1■ 発破パターンを最適化
ドリルジャンボから得た地質情報や掘削出来形の情報を基に最適な発破パターンを算定する(資料:安藤ハザマ)
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 ドリルジャンボのモニターで表示できる情報量には限りがある。一方、制御室の環境があれば複数のモニターを同時に使えるため、適正な判断を下しやすくなる。作業員は、ドリルジャンボに搭載したカメラから得られる映像を見ながら、ガイドに従って操作するだけでよい。効率的なせん孔作業が可能となった。