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大成建設が栃木県鹿沼市で建設中の南摩ダムで、機種が異なる複数の自動化重機を同時に制御する技術の実証に挑んでいる。重機の動き方を変えるなど、日々運用を改良。コア材を持たない堤体構造が無人施工にうってつけのフィールドとなった。

 ブルドーザーが現地で採掘した岩石を原料とするロック材の山の一部を崩して敷きならした後、バック走行で戻り、進路を変えて残った山を押し広げていく。本来オペレーターが座っているはずの運転席は空っぽだ(資料1)。

資料1■ 南摩ダムの堤体工事にブルドーザー2台と振動ローラー2台による無人施工を導入した。写真中央奥の高台の上に、重機を管制するオペレーションルームがある(写真:大村 拓也)
資料1■ 南摩ダムの堤体工事にブルドーザー2台と振動ローラー2台による無人施工を導入した。写真中央奥の高台の上に、重機を管制するオペレーションルームがある(写真:大村 拓也)
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 すぐ近くでは、敷きならし終わったフィールドを、無人の転圧ローラーが隙間なく締め固めていく。締め固められて地面の色が薄くなった帯状の範囲をなぞるように往復し、その動きにはぶれがない。

 ここは大成建設が栃木県鹿沼市で施工する南摩ダムの堤体の現場だ。同社が開発した自動運転重機の制御システム「T-iCraft(ティーアイクラフト)」で、ブルドーザー2台と振動ローラー2台の計4台を同時に動かす。高さ86.5m、体積240万m3の堤体を無人施工で構築している(資料2)。

資料2■ 左岸上流側から南摩ダム堤体工事の現場を眺める(写真:大村 拓也)
資料2■ 左岸上流側から南摩ダム堤体工事の現場を眺める(写真:大村 拓也)
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 個々の重機の動きは、右岸の高台にあるオペレーションルームから管理する。室内に並んだディスプレーには重機ごとの施工範囲や稼働状況、作業の進捗が映し出される。協力会社の水谷建設(三重県桑名市)のオペレーター3人が監視している(資料3、4、5)。

資料3■ オペレーションルームでは協力会社の水谷建設の社員がディスプレー越しに重機を管理する(写真:大村 拓也)
資料3■ オペレーションルームでは協力会社の水谷建設の社員がディスプレー越しに重機を管理する(写真:大村 拓也)
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資料4■ ディスプレーで個々の重機の施工エリアや作業の進捗、通信状況などを確認できる(写真:大村 拓也)
資料4■ ディスプレーで個々の重機の施工エリアや作業の進捗、通信状況などを確認できる(写真:大村 拓也)
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資料5■ 個々の重機はT-iCraft上であらかじめ指定した施工エリアの中を、位置情報を基に自動で作業する(写真:大村 拓也)
資料5■ 個々の重機はT-iCraft上であらかじめ指定した施工エリアの中を、位置情報を基に自動で作業する(写真:大村 拓也)
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