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半世紀前に完成した橋の鋼桁の添接板にレーザーを照射し、古い塗膜やさび、付着した塩分を一瞬で溶融・蒸散させる。粉じんはほとんど発生しない。塗装塗り替え工事の品質を左右する下地処理に、全く新しい工法を公共工事で初めて本採用した。

「産廃量を抑えよ」に応える

 「シャー」という音とともに、色あせた朱色の塗膜がみるみる消え、光沢のある鋼材の下地が現れる。トヨコー(静岡県富士市)が開発した「CoolLaser(クーレーザー)」と呼ぶ工法だ。岩手県の北上川に架かる藤橋の塗り替え工事の現場で、見学に訪れた関係者は息をのんだ(写真12)。

写真1■ 筒先からレーザーを照射して、古い塗膜やさび、塩分を瞬時に除去する。レーザーは高強度なため、燃えて溶けない綿製の作業服や革製の手袋、保護めがねなどを着用して作業に当たる(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 筒先からレーザーを照射して、古い塗膜やさび、塩分を瞬時に除去する。レーザーは高強度なため、燃えて溶けない綿製の作業服や革製の手袋、保護めがねなどを着用して作業に当たる(写真:日経コンストラクション)
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写真2■ 添接板の手前側がクーレーザーで施工を終えた範囲。作業時間は3分ほど。塗装の塗り替え工事で最初に必要な下地処理のうち、古い塗膜などを全て除去して鋼材の下地を露出させる「1種ケレン」の素地調整ができる。筒先のオレンジ色のホースは集じん機につながる(写真:日経コンストラクション)
写真2■ 添接板の手前側がクーレーザーで施工を終えた範囲。作業時間は3分ほど。塗装の塗り替え工事で最初に必要な下地処理のうち、古い塗膜などを全て除去して鋼材の下地を露出させる「1種ケレン」の素地調整ができる。筒先のオレンジ色のホースは集じん機につながる(写真:日経コンストラクション)
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 藤橋は1973年に完成した橋長705mの鋼桁橋だ。これまで支承の一部を交換するなどしてきたものの、塗装の全面塗り替えは初めて。県は4期に分けて工事を発注した。

 3期目に当たる「その3工事」の総合評価落札方式の入札で、県は産業廃棄物を抑制する技術提案を求めた。「古い塗膜は鉛を含む。全国的に問題となるなか、処理費を抑える工夫に期待した」。岩手県県南広域振興局土木部道路河川環境課の千葉幸司課長はこう話す。

 その3工事を受注した木村塗装工業(岩手県奥州市)は、約800万円の価格差を逆転して落札した。

 同社はまず、研削材を吹き付けて古い塗膜を除去する「ブラスト工法」に手を加えた「循環式ブラスト工法」を採用した。循環式の同工法は、吹き付けた研削材を回収し、塗料かすと研削材に分離する。研削材を繰り返し利用することで、一般的なブラスト工法に比べて産廃量を50分の1程度に減らす。