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国内最大となる容量23万キロリットルのLNGタンク。外周にあるプレストレスト・コンクリート構造の防液堤を施工する鹿島は、プレキャスト工法を初めて採用した。品質向上に加え、内部で進む鋼製タンクとの同時施工を実現し、7カ月の工期短縮を目指す。

国内初の工法で鋼製タンクとの同時着工を実現

 太平洋に面した茨城港日立港区にある東京ガスの日立LNG基地で、直径88m、高さ44mの巨大な円筒形をしたコンクリート壁が立ち上がった。液化天然ガス(LNG)を貯蔵する鋼製タンクの外周に設けた「防液堤」だ(写真1)。

写真1■ 東京ガス日立LNG基地に立ち上がったプレストレスト・コンクリートの防液堤を海側から望む。プレキャスト部材間を現場打ちしたため、表面に格子状の模様がうっすらと浮かぶ。撮影した2019年9月時点で防液堤はほぼ完成し、内部で鋼製タンクの工事が進む。写真左奥は久慈川(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 東京ガス日立LNG基地に立ち上がったプレストレスト・コンクリートの防液堤を海側から望む。プレキャスト部材間を現場打ちしたため、表面に格子状の模様がうっすらと浮かぶ。撮影した2019年9月時点で防液堤はほぼ完成し、内部で鋼製タンクの工事が進む。写真左奥は久慈川(写真:日経コンストラクション)
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 タンクの容量は国内最大の23万キロリットル。海外から船で運んできたLNGを受け入れる。

 基地内では同じ容量の1号タンクが2016年3月に稼働を開始。建設中のタンクは、2号タンクとして21年3月の稼働を目指す。東京湾岸にある既存のLNG基地と栃木県などの内陸部とを高圧ガスパイプラインで環状につなぎ、関東圏にガスを安定供給する拠点となる。

 防液堤は、円周方向と鉛直方向に鋼材で緊張力を加えたプレストレスト・コンクリート(PC)構造になっている。タンク内にためたマイナス162℃の液体であるLNGが長周期地震動で揺れるなどして、鋼製タンクが万一破損しても、外部への流出を食い止める役割がある。