女性活躍推進に沸く建設業界。ところが、当の女性たちの目は冷ややかだ。「女性ならではの視点で」、「女性にしかない感性を」──。うわべだけの言葉を並べて活躍を後押ししたつもりになっている男性上司の態度に、多くの女性部下は嫌気が差している。女性用トイレの整備や休暇制度の充実といった改善だけでは不十分だ。古くからの価値観にこだわらず、目の前の女性部下と正面から向き合う時が来ている。

特集
だから「おっさん」上司は嫌われる
うわべだけの女性活躍に終止符
目次
-
もう嫌!勘違い上司
女性部下の憂鬱
業界を挙げての「女性活躍推進」ムードに乗って、女性に協力的な姿勢を見せる男性上司たち。だが、アピールの方法によっては、かえって女性にプレッシャーや不満を与えかねない。女性の活躍を履き違える“嫌われ上司”に、あなたはなっていないか。実際にあった4つの事例を見ていこう。
-
「昭和の男性社会」にさよなら
問われる本気度
人手不足などを背景に沸き起こる2度目の“ドボジョ”ブーム。だが、共に働く男性の意識改革を伴わないうわべだけの「女性活躍推進」に、違和感を抱く女性は多い。男性中心だったこれまでの常識を見直さなければ、時代の変化に取り残される。
-
「女の涙」がトラウマに
男性上司の本音
女性部下の育成に当たる男性上司は、経験が乏しいなりに良好な関係を築こうと頭を悩ませる。だが、現実は厳しい。「指導しただけで泣かれた」、「セクハラと誤解された」──。日経アーキテクチュアの調査では、こうしたトラウマを抱える男性上司から女性部下に対する不満が噴出した。
-
「自慢の上司」はここが違う
育成の“ツボ”
女性がのびのびと活躍し、強みを生かせる職場づくりを担うのは、育成に当たる上司の重要な役目だ。「女性だから」と構える必要はない。建設業界で生き生きと働く女性がいる会社の「自慢の上司」に登場してもらい、女性部下育成の“ツボ”を聞いた。
-
おっさんよ、男らしさに縛られるな
大正大学心理社会学部人間科学科准教授 田中 俊之氏
仕事における性別の問題は、女性特有のものと考えがちだ。だが、男性ならではの悩みを扱う「男性学」を研究する大正大学の田中俊之准教授は、「中高年の男性こそ性別にとらわれた生き方をしている」と指摘。男性が自らの働き方を見直すことが、女性活躍推進には不可欠だと説明する。