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専用トイレや制度だけでは不十分

 2016年4月に「女性活躍推進法」が施行され、働く女性の応援は国を挙げての一大プロジェクトとなった。建設業界も例外ではない。他産業と比べて女性の割合が極端に低い状況を打開しようと、各社が女性専用トイレをはじめとする現場設備や、子育て支援制度の整備を進めている。

 だが、こうした取り組みは女性活躍推進の「うわべ」の部分にすぎない。女性が働きやすく、活躍しやすい環境づくりを進めるには、共に働く上司や同僚の協力が鍵を握る。しかし、いまだに女性活躍推進を履き違えた上司が少なからずいることは、冒頭で見てきた通りだ。

 実は、業界の熱気とは裏腹に、女性活躍推進の現状に冷ややかな目を向ける人は少なくない。日経コンストラクションが今年9月に建設産業従事者を対象に実施したアンケートでは、女性活躍推進の方向性に「違和感がある」と回答した人は全体の48%に上った(図2)。女性の回答のみを集計すると、この割合は6割に跳ね上がる。

図2 ■ 半数近くが「女性活躍推進」の方向性に違和感
図2 ■ 半数近くが「女性活躍推進」の方向性に違和感
右は自由意見から抜粋
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調査概要

日経 xTECHウェブサイトの閲覧者と建築・土木メール会員を対象に、9月18日から28日にかけてインターネットでアンケート調査を実施し、271人から回答を得た。回答者の勤務先別内訳は、建設会社121人、建設コンサルタント会社・設計事務所78人、発注機関(官公庁、自治体、高速道路会社など)32人、その他・不明40人。男女別内訳は男性223人、女性48人

 「女性技術者をアピール道具のように扱わないでほしい」(建設会社、40代)、「性別の差は身長の差と同様に、個人差と捉えるべきだ」(建設コンサルタント会社、30代)。女性からは、女性を過度に特別扱いする風潮に批判的な意見が多く寄せられた。

 一方、男性上司からは、「小さな現場では、女性用の設備をそろえる資金がない」(建設会社、50代)という戸惑いの声が聞こえてくる。さらに、「現場に女性がいることになじみがない。受け入れはまだ難しい」(建設会社、50代)など、男性の都合で女性の活躍を歓迎しない声も多い。