2018年8月14日、イタリア・ジェノバで高速道路の斜張橋「ポルチェベーラ高架橋」が突如崩落。43人が亡くなる大惨事となった。著名な構造エンジニアの故リッカルド・モランディが設計したこの橋は、なぜ落橋したのか。高速道路「発祥の国」で起こった事故を様々な角度から分析し、日本の土木技術者への教訓を探る。

連載
イタリア「モランディ橋」はなぜ落ちた?
43人死亡の落橋事故、日本の土木技術者への教訓
目次
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嵐の中で落橋、43人死亡の大惨事
事故の状況と橋の構造
2018年8月14日、雷雨と強風のさなか、イタリア・ジェノバのポルチェベーラ高架橋は落橋した。1967年に完成した同橋は、どのような構造だったのか。事故の状況とともに詳しく解説する。
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崩壊の起点は桁かケーブルか?
落橋の原因とメカニズム
ポルチェベーラ高架橋の崩落は、なぜ、どのようにして起こったのか。がれきの状況を分析したうえで、伊インフラ交通省の調査委員会が示した3つの仮説を読み解く。さらには、現地に赴いた日本の専門家による仮説を交えて、落橋の原因に迫る。
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モランディは「失敗」したのか?
天才構造家の実像
ポルチェベーラ高架橋の落橋事故では、設計者のリッカルド・モランディに対する非難の声が上がった。モランディとはどのような人物なのか。同橋は失敗作だったのか。橋梁デザインに詳しい日本大学の関文夫教授が解説する。
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伊政府vs道路運営者の不毛
事故の責任はどこに?
事故直後、伊政府は橋を運営・管理していたアウトストラーデ・イタリアに全責任があると批判。アウトストラーデはこれに反発し、ウェブサイト上で自らの主張を展開している。不毛な対立を避けるには何が必要か。
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日本にも「アキレス腱」を持つ橋はある
PC橋の第一人者に聞く
ポルチェベーラ高架橋の事故原因をどうみていますか。