2018年、日経コンストラクションは災害報道に多くのページを割き、リニア談合事件や海外での橋梁落下事故といった社会問題も誌面をにぎわせた。一方で、i-Constructionの深化や五輪に向けたプロジェクトの進展など、前向きな話題も──。日経コンストラクションの記事から今年の出来事を振り返る。

災害・事故
自然災害で死者・不明者300人超

 大規模な自然災害に繰り返し襲われた2018年。自然災害による死者・行方不明者数は331人(11月時点)と、2000年以降では3番目の多さだ(震災関連死なども含む)。

 7月の西日本豪雨では死者・行方不明者が232人に達し、風水害としては平成に入ってから最悪の被害となった(図1)。9月28日に国土交通省が公表した被害額の推計は1兆940億円に上り、1回の豪雨や台風による被害額としては、1961年の調査開始以来最大だった。

図1■ 7月に発生した西日本豪雨を報じた8月13日号の緊急特集「<a href="/atcl/nxt/mag/ncr/18/00021/">西日本豪雨の衝撃</a>」。右は同号の表紙
図1■ 7月に発生した西日本豪雨を報じた8月13日号の緊急特集「西日本豪雨の衝撃」。右は同号の表紙

 土砂災害の被害が大きかったのは広島県だ。呉市から広島市にかけての沿岸部や、広島市内陸部の安芸区、安佐北区、安佐南区などで住宅地の裏山が崩れ、土石流が住宅をのみ込んでいった。広島市では、2014年にも豪雨による土石流で74人が犠牲になっている。

 岡山県倉敷市真備町では、高梁川水系の小田川などが氾濫し、50人以上が死亡。浸水範囲は1200haに及ぶ。本流の河川の水が支流に回り込む「バックウオーター現象」が被害を拡大した。一方、愛媛県南西部を流れる肱川(ひじかわ)流域でも4人が死亡。野村ダムや鹿野川ダムからの放流で水位が急上昇し、市街地が浸水したことが原因だ。豪雨時の「緊急放流」の在り方や、住民への放流情報の提供などに課題を残した。

 9月の台風21号では、関西国際空港が大打撃を受けた(図2)。高波と高潮で「1期島」の滑走路や駐機場がほぼ全て冠水したほか、対岸との唯一の交通路である連絡橋にタンカーが衝突し、空港は一時孤立。完全復旧までに17日間を要した。

図2■ 10月22日号の特集「<a href="/atcl/nxt/mag/ncr/18/00033/">関空水没</a>」。9月の台風21号で浸水して機能不全に陥った関西国際空港の復旧の様子と課題を描いた
図2■ 10月22日号の特集「関空水没」。9月の台風21号で浸水して機能不全に陥った関西国際空港の復旧の様子と課題を描いた

 大地震も相次いで発生した。6月18日の大阪北部地震では、大阪市北区や高槻市などで震度6弱を観測。9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震では、北海道南部の厚真町で、道内で初めてとなる震度7を観測した(図3)。厚真町では、大規模な斜面崩壊で36人が亡くなった。また、札幌市清田区の住宅街では、谷埋め盛り土上に造成された住宅地が激しく液状化し、甚大な住宅被害が生じた。

図3■ 9月6日に発生した北海道地震では、翌日に記者が現地入りし、9月24日号の「<a href="/atcl/nxt/mag/ncr/18/00026/">緊急現地報告</a>」にまとめた
図3■ 9月6日に発生した北海道地震では、翌日に記者が現地入りし、9月24日号の「緊急現地報告」にまとめた

 災害の陰に隠れて目立たなかったものの、建設事故も相変わらずなくなっていない。日経コンストラクションでは11月26日号で、西九州自動車道の法面崩壊や新潟県での道路陥没など、最近発生した事故について詳報した(図4)。

図4■ 最近発生した事故の状況や原因をまとめた11月26日号の特集「<a href="/atcl/nxt/mag/ncr/18/00035/">追跡! 建設事故・トラブル</a>」。事故発生前に見落とされていた「盲点」に着目した
図4■ 最近発生した事故の状況や原因をまとめた11月26日号の特集「追跡! 建設事故・トラブル」。事故発生前に見落とされていた「盲点」に着目した