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人材不足がますます懸念される建設業界。若手を引き付ける魅力ある仕事とするためにも、働き方改革は急務だ。緒に就いたばかりの週休2日工事の拡大はもちろんのこと、5年後に控える改正労働基準法の規制も見据えた長時間労働の解消も進めなくてはならない。

19. 働き方改革
支援策が奏功し週休2日工事拡大

 建設業の働き方改革で最近、目立っているのが現場への週休2日制の導入だ。

 国土交通省は2016年度に直轄事業で週休2日工事の試行を開始。翌17年度には、実施件数が6.7倍の1106件に増加した。18年度は9月までの半年間で、17年度の8割に当たる883件で実施するなど、週休2日の取り組みは広がっている(図1)。

図1 ■ 週休2日工事の実施状況
図1 ■ 週休2日工事の実施状況
(資料:国土交通省)
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 国交省は、週休2日工事への支援策も打ち出している。18年度から、4週6休以上の休みを確保した場合、労務費や現場管理費などを閉所率に応じて最大で5%割り増す措置を導入。週休2日を実現した工事には、成績評定で最大2.8点加算する奨励策も取り入れた。

 これまで「休み」と見なすのは現場を閉所した場合だけだったが、今後は、現場を稼働させたまま交代制で休みを取っても、週休2日と認定する仕組みを導入する考えだ。

 国交省は、担当工事への「専任」が求められる監理技術者が、積極的に休みを取ることも推奨する。18年12月には、専任の技術者が必ずしも現場に常駐する必要はないことを明確にし、各地方整備局に通知した。

 17年8月にも同様の通知を出しているが、その際は、技術研さんの研修などに参加する際、現場を離れることができると例示しただけだった。今回の通知では、適切な施工ができる体制を確保すれば、理由を問わず休みが取れることを明言した。

 一方、休暇をしっかり取れるようにするには、無理のない工期の設定も欠かせない。国交省は建設業法を改正し、長時間労働を強いないと守れないような不当に短い工期の設定を禁じる考えだ。

[建設業の働き方] 若い人は稼ぎよりも休みを選ぶ
芝浦工業大学 建築学部建築学科 教授 蟹澤 宏剛(写真:日経コンストラクション)
芝浦工業大学 建築学部建築学科 教授 蟹澤 宏剛(写真:日経コンストラクション)
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 建設業の働き方改革で、考えるべき点は大きく3つあると思う。

 1つは給与。職人は日給だから、休んでいると他の現場に取られてしまうという声がある。しかし、有給休暇がなく、働いた分しか稼げない給与制度で果たして良いのか。固定給の導入を真剣に考えないといけないだろう。

 2つ目は、若い人の考え方だ。「職人は働けるだけ働いて、稼げるだけ稼ぎたいんだ」とよく言われるが、それは昔の考え方だろう。若い人たちに聞いてみてほしい。休みが欲しいと言うはずだ。子供の運動会にも行けないような働き方の職業に若い人が就くとは思えない。

 3つ目は工期。短い工期を生産性の向上で解決するのならばいいが、従来はほとんどの場合、長時間労働など働く人の犠牲で対応してきた。土日休みを前提に工期を設定する必要がある。

 社会保険の未加入問題も、以前は誰もが無理だと言っていたが、業界を挙げて頑張ったらこの5年間でかなり改善した。働き方改革も真剣に取り組めば、もっと早く進むだろう。(談)