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25. 企業買収・合併
大手・準大手が「地場系列化」へ

 大手や準大手など中央の建設会社が、地方の有力な建設会社に対してM&A(合併・買収)を仕掛ける動きが出てきた。

 戸田建設は2018年12月14日付で、福島県の地場大手の佐藤工業(福島市)を買収し、子会社化した(写真1)。佐藤工業の佐藤勝也社長(48歳)は19年3月に退任し、戸田建設から取締役が就任する。佐藤工業の社名はそのまま残し、従業員の雇用や給与水準も5年間は維持する。

写真1■ 東京都中央区にある戸田建設の本社(写真:日経コンストラクション)
写真1■ 東京都中央区にある戸田建設の本社(写真:日経コンストラクション)
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 従来、中央の建設会社が地方の建設会社を傘下に収める例はさほど表面化していなかった。しかし水面下では、将来の建設市場の縮小に備え、地方の有力企業を買収して事業基盤を強化する動きが進んでいる。

 例えば、飛島建設は17年7月、新たな営業エリアの開拓を目指し、千葉県や東京都小笠原村で建築や土木などの施工を手掛ける杉田建設興業(千葉市)を子会社化した。

事業承継に悩む地方企業

 中央の建設会社の中には、足元の技術者不足に対応するため、地方の有力企業に食指を動かしている会社もある。買収すれば、有能な技術者を手っ取り早く獲得できるからだ。

 一方、地方の建設会社では、経営者の高齢化と後継者不足が進み、事業承継が大きな課題だ。国内の建設投資が堅調で自社の経営状態が良好なうちに、有利な条件で会社を売却したいと考える経営者も少なくない。

 建設業界では、「戸田建設のような買収劇がこれから増えていくのではないか」との見方も出ている。