工事が完了しても、それで終わりではない。工事にかかった日数や工数、人員数、作業能率などの実績データを整理。施工内容を反省し、今後の工事に役立てる。工程管理の5つ目のポイントは、「来た道を振り返れ」だ。(日経コンストラクション)

工程管理5つ目のポイントは、「来た道を振り返れ」だ。例えば、山登りは、頂上に着いたらそれで終わりというものではない。スタート地点から歩いてきた道のりを振り返り、次に登る人が歩きやすいように、データを残すまでが山登りなのだ。
工程管理も同じだ。工事が完了したら終わりではない。「施工方法は適切だったか」「施工中に無駄はなかったか」「各工程の作業能率は想定通りだったか」などと反省する。問題があれば原因を追究して、今後の工事に役立てる。
完了後に各工種の実績をまとめる
その際に有効なのが複数の表などから成る実績工程資料の作成だ。実際にかかった工程や手順、作業量、工数、日数などを工程表に記載。作業能率など実績データを確認して、工事内容を反省する。
担当した各工事でこうした作業を継続すれば、当初に計画する工程の精度は向上していく。
実績工程資料を作成する手順はこうだ。まずは、実績をまとめる。工事が終わった後に、工種ごとの作業日数や作業員数、使用機械、作業手順を整理する。外部の工場で製作した装置や設備などがあれば、その工場を訪ねて製作工程を調査する必要がある。
その上で、過去に手掛けた同種工事の工程、他の協力会社や他の工事担当者が手掛けた工事の工程、同業他社の工程、建設物価調査会が発行する「建設物価」などで公表されている工程データの4項目を、それぞれ比較する。
ただし、実績を調査しただけでは、今後の工事には役に立たない。データを標準化して、歩掛かりとしてまとめる必要がある。