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2021年2月13日午後11時7分、福島県沖を震源とする地震が発生した。大規模な斜面崩壊が起こるなどしたものの、死者や行方不明者はゼロだった。一方、東北新幹線は全線の運転再開までに10日を要する事態に。長周期地震動で被災した可能性もある。

 気象庁によると、地震のマグニチュードは7.3で、震源の深さは55km。西北西−東南東方向に圧縮軸を持つ逆断層型の地震だ。福島県国見町、相馬市、新地町と宮城県蔵王町で最大震度6強を観測した。

 北米プレートの下に沈む太平洋プレートの内部で起こった。2011年3月11日に生じた東北地方太平洋沖地震の余震とみられる。今回は地震の規模が小さく、震源も深かったため、津波は宮城県の石巻港で20cmを観測するなど僅かにとどまった。

 総務省消防庁によると、21年2月22日午後3時時点で福島県や宮城県を中心に住宅21棟が全壊、32棟が半壊、3059棟が一部破損した。重軽傷者が185人いたものの、死者や行方不明者は確認されていない。

 震度5強を観測した福島県二本松市にある自動車レース場「エビスサーキット」では、大規模な斜面崩壊が発生。崩れた土砂は斜面上部から数百メートル先まで達した(写真1)。

写真1■ 「エビスサーキット」で発生した大規模な斜面崩壊。押し寄せた土砂によって、サーキット内にある地上4階建てのレストラン棟が倒壊したもようだ(写真:毎日新聞社/アフロ)
写真1■ 「エビスサーキット」で発生した大規模な斜面崩壊。押し寄せた土砂によって、サーキット内にある地上4階建てのレストラン棟が倒壊したもようだ(写真:毎日新聞社/アフロ)
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 周辺は安達太良山(あだたらやま)を起源とする火山灰や軽石などが約10mの厚さに降り積もってできた風成層が表面を覆う。「風成層が滑落したのは確実だ」と産業技術総合研究所地質調査総合センター研究戦略部の阪口圭一氏はみる。18年の北海道胆振(いぶり)東部地震でも、火砕物が積もった山の斜面で同様の崩壊が相次いだ。

 福島県相馬市内の常磐自動車道では、西側の下り線に面した切り土法面が幅70m、高さ15m、奥行き10mにわたって崩れた(写真2)。東日本高速道路会社は崩れた土砂や法面に残った不安定な土砂を撤去した後、表面にモルタルを吹き付けて保護。2月17日午後6時に通行止めを解除した(写真3)。

写真2■ 常磐自動車道の相馬インターチェンジ(IC)-新地IC間で約5000m<sup>3</sup>の土砂が崩れた。切り土法面で、特段の崩落対策は施していなかった(写真:毎日新聞社/アフロ)
写真2■ 常磐自動車道の相馬インターチェンジ(IC)-新地IC間で約5000m3の土砂が崩れた。切り土法面で、特段の崩落対策は施していなかった(写真:毎日新聞社/アフロ)
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写真3■ 応急復旧を終えた法面。路肩に落石防護柵や大型土のうを並べた(写真:東日本高速道路会社)
写真3■ 応急復旧を終えた法面。路肩に落石防護柵や大型土のうを並べた(写真:東日本高速道路会社)
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