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相次ぐ大型台風、旺盛な建設需要の裏で頻発する過労死、大型プロジェクトの遅れ──。2019年に起こった土木分野の重大ニュースを、写真と共に振り返る。

長野県上田市で、千曲川に架かる上田電鉄別所線の鋼トラス橋の一部が崩落した。橋台があった堤防が増水で浸食された(写真:大村 拓也)
長野県上田市で、千曲川に架かる上田電鉄別所線の鋼トラス橋の一部が崩落した。橋台があった堤防が増水で浸食された(写真:大村 拓也)
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相次ぐ台風で従来対策の限界露呈

 2019年は9月に台風15号、10月に19号と、相次いで台風が来襲し、各地に大きな被害が出た。19号では災害情報のレベル分けのうち、最高のレベル5に相当する大雨特別警報が1都12県で発令された。台風は伊豆半島から東北沖に強い勢いを保ったまま進み、各地で観測史上1位の降水量を記録した。

 堤防の決壊は、7県の71河川140カ所と、18年の西日本豪雨の約4倍。浸水面積は3万ha以上に及んだ。土砂災害は821件で、1つの台風の被害では記録が残る1982年以降、最多だ。

 現状のインフラでは災害の激甚化に対応しきれないことが改めて浮き彫りになった。政府は19年度補正予算と20年度当初予算を一体と捉える「15カ月予算」を組み、復旧を迅速に進める。

茨城県常陸大宮市で約250mにわたって決壊した那珂川の堤防。計画断面に達していない「暫定堤防」だった(写真:日経コンストラクション)
茨城県常陸大宮市で約250mにわたって決壊した那珂川の堤防。計画断面に達していない「暫定堤防」だった(写真:日経コンストラクション)
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