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新型コロナウイルスの感染拡大は、工事の一時中止など建設業にも多大な影響を及ぼした。熊本県では豪雨被害を受けて「脱ダム」を見直し。シールドトンネル上の道路陥没も相次いだ。2020年を10大ニュースで振り返る。

(写真:国土交通省東京国道事務所、東日本高速道路会社、日経クロステック、日経コンストラクション)
(写真:国土交通省東京国道事務所、東日本高速道路会社、日経クロステック、日経コンストラクション)
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1 新型コロナの衝撃、建設業にも波及

 2020年の春先に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、いまだに収束の気配を見せない。政府は20年4~5月に緊急事態宣言を出すなどして、マスクの着用、手の消毒、3密(密閉・密集・密接)の回避、外出の自粛といった対策の実施を国民に求めている。感染症の流行と対策の浸透は、建設産業にも多大な影響を及ぼした。

 感染拡大の最初の波が本格化した4月上旬以降、大手建設会社をはじめとして建設各社は軒並み工事を中断。しかし、政府が“第1波”の落ち着いた5月下旬に緊急事態宣言を解除するのと前後して、各社は次々と工事を再開した。

 その後も感染が第1波以上に拡大した時期があったが、4月のような一斉休工には踏み切っていない。コロナの流行が長期化するとみて、受発注者とも対策を講じながら業務を継続する「ウィズコロナ」の態勢に移行した。屋内外に大勢が集まるイベントの中止や縮小が続く中で、建設工事は経済活動に必須と見なされ、多くが継続している。

 工事現場では、3密の回避やマスクの着用など対策が徹底された。対面の打ち合わせを避けて、テレビ会議システムなどを利用するケースも増えている。

 国土交通省や一部の自治体は、ICT(情報通信技術)を使って工事現場に出向かず事務所で監督業務を行う「遠隔臨場」に力を注ぎ始めた。建設会社の内勤の部署や建設コンサルタント会社などでも、ICTを活用した在宅勤務が浸透している。

 資格などの試験会場は3密状態になりやすいことから、建設技術者向けの資格試験の延期も相次いだ。日本技術士会は技術士第二次試験の筆記試験を20年7月から9月に変更。全国建設研修センターは1級土木施工管理技士の学科試験を7月から10月に、実地試験を10月から12月にそれぞれ延期した。