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 ここ数年は、東京五輪に伴う需要や激甚化する災害への対処・備えなどの影響もあって、建設投資は右肩上がりで推移してきた(図1)。建設会社は、高い利益水準となる好決算を記録。大手・準大手の2020年3月期第2四半期の数字を見ても、好調を維持している。

図1■ 建設投資は増加を続ける
図1■ 建設投資は増加を続ける
(資料:国土交通省)
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 景気が良いときほど、増えるといわれるのがM&A(合併・買収)だ。M&A助言会社のレコフ(東京都千代田区)によると、建設業界における国内企業が絡んだM&Aの件数は、建設投資の動きと同様に右肩上がりだ。特に19年は11月末の時点で、成約件数は過去最高の142件に及ぶ(図2)。公表資料をベースとした集計なので、実際の数はずっと多い。

図2■ 建設業におけるM&Aの件数は右肩上がりで推移
図2■ 建設業におけるM&Aの件数は右肩上がりで推移
日本企業が絡むM&Aの事例について公表ベースで集計した。2019年は11月末までの件数(資料:レコフ)
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 「過去を振り返ってみても、ビッグイベントの前後では会社を譲渡する企業が増える」。こう話すのは、日本M&Aセンター業界再編部建設・不動産業界支援室の高山義弘氏だ。

 ここでのビッグイベントとは、東京五輪に他ならない。五輪関係の仕事に大手・中堅が専念しているため、中小規模の企業は通常の土木工事などを受注しやすくなる。そのため、業界全体で各社の収益性が高まり、将来に備えたM&Aに取り組みやすくなる。それがここ数年の成約件数の増加として現れている。