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 公道を走る無人自動運転車による移動サービスが、2020年度から福井県永平寺町などで始まる。経済産業省と国土交通省が共同で16年度から進めている「ラストマイル自動運転」の実証プロジェクトの一環だ。最終年度となる20年度は、これまでのような期間を区切った実証実験ではなく、定期運行として自動運転サービスを展開する。

 使用する車両は、道路に埋め込んだ電磁誘導線に沿って走る小型の電動カートだ。公道での完全な無人運転はまだ法的に認められていないので、遠隔操作で運行する。ハンドル操作は自動だが、乗降時や発進時の安全確認などは遠隔操作する人が担当する。

 自動運転は、技術レベルによって5段階に分かれる(図1)。遠隔操作する人は「運転者」と見なされるので、レベル2に相当する。運転者は前方注意義務を負うので、1人で何台もの車両を同時に担当することはできない。「現状の指針では1人2台までだが、レベル3になれば、3台以上を操作できる可能性がある」と経済産業省ITS・自動走行推進室の植木健司室長は話す。

図1■ 現行の定期運行はレベル2
図1■ 現行の定期運行はレベル2
内閣官房IT総合戦略室の資料などを基に日経コンストラクションが作成
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 運転者が同乗する自動運転サービスは、19年11月30日から秋田県上小阿仁(かみこあに)村で始まっている(写真1)。ここで使用する車両も、電磁誘導線上を走る小型電動カートだ。乗客は最大5人。停留所では自動で停止するが、発進の操作は運転者が担う。

写真1■ 道の駅「かみこあに」を拠点とする自動運転サービス。利用するには、運行を担うNPO法人の会員(入会金200円、年会費800円)になる必要がある。運賃は片道200円(写真:国土交通省東北地方整備局)
写真1■ 道の駅「かみこあに」を拠点とする自動運転サービス。利用するには、運行を担うNPO法人の会員(入会金200円、年会費800円)になる必要がある。運賃は片道200円(写真:国土交通省東北地方整備局)
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 高齢者福祉施設などを併設する道の駅「かみこあに」を拠点に、集落や集会所などを回る。往復約2kmのルートと4~5kmのルートをそれぞれ午前と午後1便ずつ運行している。